新人教育やメンタルトレーニングの指導者へ

トラウマから脱して指導者へと人生を乗り換えました

自分のなかの攻撃性を滅らして仕事や勉強を頑張ると、職場で昇進し、娘の学力が上がり、夫も昇給したという坂本 さんからお聞きしたお話です。

看護師 フラクタル心理カウンセラー
坂本 志帆さん 北海道

中学時代いじめにあった体験は自分の心の中の攻撃性が原因と知る

フラクタル心理学を学んだ友人の状況が好転したことに興味を持ち、3年前にマスターコース入門を受講し、フラクタル心理学の開発者一色真宇先生のカウンセリングを受けました。

個人カウンセリングで一色先生に日頃の悩みを並べましたが、次々と「あなたの解決したいことはそれじゃない!」ときっぱり言われ、中学のときに同級生からいじめにあった体験が心に浮かびました。そのせいか、看護師として働き始めてからも人の目が気になり、職場でも居心地が悪くて自分を出せないでいたのです。

一色先生から幼少期のことを聞かれて思いを巡らすと、4歳上の兄は優しい人で、いじめられることはありませんでしたが、3歳下の妹を私が邪険に扱っている場面を思い出しました。私はいつも、あとをついてくる妹が煩わしくてちょっと叩いたり、いじわるをしたりしていたのです。

「妹を叩いていたような私のなかの攻撃性が外側に投影されて、私自身が攻撃されることになり、自分の悪い所をごまかそうと嘘を重ねることで、今でも無意識にまわりの目が気になり、人間関係も上手くいかない」と一色先生から言われました。いじめの原因が私自身にあったと知って愕然とし、自分を変えたいと思い、フラクタル心理学を学ぶことに決めました。

ペットの犬の噛み癖がなくなる

初級講座を受け始めて、人と一緒になって悪口を言ったり、人を落として自分の存在をアピールしたりするのをやめ、悪口、陰口は思っただけでも攻撃と思うようにしました。人から言われたことにムッとするのも攻撃性の現れで、「自分が正しい」と思うから怒りを感じるのであって、「相手が正しいとしたら?」と思い直すようにしました。

まず変化が現われたのはなんとペットの柴犬でした。もともと噛み癖が強くて、遊んで欲しいと見境なく噛みついてきて、しつけ教室に連れて行ったこともありました。ドッグトレーナーからはすごくいい子だと褒められるのに、帰宅すると元に戻るのでした。

仕方がないと犬のことはあきらめました。ところが私が人への攻撃をやめると、犬もまったく噛まなくなり、人なつこく社交的な犬に変わったのです。犬も私と同じだったとわかって心底驚き、さらに自分の修正に精を出しました。

自分からの攻撃をやめたら、攻撃されるわけがないと思うようになり、人を恐いという気持ちもなくなり、次第に安心して自分を出せるようにもなりました。

職場では、小児科病棟勤務から、より成長が望める新人教育専従の部署に異動になりました。上司や先輩から言われた厳しい言葉も、私を伸ばそうとする愛ある言葉だったと気づくと、働きやすい職場だと感じるようになりました。

自分が頑張ると娘の学力も伸びて

同じく初級受講中のことですが、小学3年生の娘が「勉強がわからない」と言いだして、普通学級から勉強が苦手な子が集まる通級に移ることになりました。私の何が相似形として娘に投影されているのかと顧みると、全力で頑張らずに「これくらいでいいか」と、6、7割の力しか出さない「省エネ体質」に気づいて、これを止める決心をしました。

看護師としてフルタイムで働いて夜勤もこなしながら、家庭のこともしっかりやり、フラクタル心理学を学ぶために片道2時間かけて十勝にも通いました。後輩や新人を育てる立場でしたが、うまくいかないと、「まぁいいか」と済ませ、「相手のせい」にしてきたことを反省して、「相手は自分の鏡」として、相手に見る修正ポイントを自分でも修正するようにしました。中間子の私は責任をとるのが苦手でしたが、人を育てる責任から逃れたくなったら、アファメーション*で、「責任をとれ」「覚悟しろ」と自分に言い聞かせました。

娘のことも「勉強ができないダメな子」と思わず、「できる子」と信じて、短時間ですが家庭教師もつけました。2年後、担任との個人面談で「ここまで学力が伸びた子は初めて見ました!」と褒められ、娘は普通学級に戻ることができたのです。

夫を尊重すると私も夫も昇給して

フラクタル心理学を学ぶうちに、私は父のことが大好きで、幼い頃、妹だけが父から可愛がられていると勘違いして、嫉妬心から妹をいじめていたとわかりました。

父への思いに気づくと、夫を見る目も変わりました。これまで「男性に勝ちたい」という思いから、夫のことも見下してきましたが、「私が正しいという思いをとおし、自分を曲げずに、わがままですみませんでした」と手紙を書いて夫に謝りました。

夫は実父の会社に勤めていますが、本業と絡んだ副業もしています。夫の見方が変わると、本業も副業も順調となり、夫の収入が今までの2倍ほどに増えたのです。

私も上司から評価されて、内科病棟に異動になり、そこでも新人教育を担当して、1年後には主任に昇進しました。病院長からは、「もっと内容を充実させ差別化を図ることで、皆さんに選ばれる病院になるよう尽力してほしい」と期待の言葉をいただきました。

野球チームでメンタルトレーニングを始める 

娘は6年生になり、長男の影響で3年生から始めた少年野球チームでエースピッチャーとして活躍するようになりました。私も今年2月からカウンセラー養成講座を受講し始めると、保護者の了解を得て、子どもたちにフラクタル心理学を使った強いチーム作りのためのメンタルトレーニングの指導を始めることになりました。4月におこなったメンタルトレーニングと食育の合宿でチームの絆が強まり、5月にはチームがベスト8に入り、エースピッチャーの娘が地元新聞紙に大きく掲載されました。ガールズチームにも入団し頑張る娘を、全国大会に行けるよう応援していきたいと思っています。

経営するアパートの空室が埋まる

夫が始めたアパート経営で、昨年3月の完成予定だったのが9月に延期になり、入居率が悪くて焦りを感じていることを養成講座で話題にしました。

誘導瞑想をすると、小さいときに4歳上の兄が近所の友だちと裏山に遊びに行って、私が置いて行かれた場面が出てきました。そのときの満たされない空虚感がアパートの空室と相似形だと言われて、「お兄ちゃんにはお兄ちゃんの世界があるから、自分は自分で楽しもうね」という修正文をカウンセラー仲間に作ってもらい、寝る前に毎日読みました。すると、1ヵ月後には7室あった空室が満室になりびっくりしました。

これから主任として職場のスタッフマネージメントにもフラクタル心理学の知識を活用していきたいと思っています。私の地元ではフラクタル心理学を学んだ人はまだ誰もいないので、講師として教えられるようになって、道東でフラクタル心理学を広めたいと夢を膨らませています。

*アファメーション:肯定的な自分への宣言

2019年7月発行TAWプレスに掲載
文:(株) Mamu&Co. 藤田理香子