初恋の彼と10年振りに再会して結婚。息子も生まれました!

自分の根にある思考を変えると、結婚はできないと言っていた相手の気持ちも変わって、結婚出産が叶ったという皆川菜緒さんからお聞きしたお話です。

グラフィックデザイナー
皆川菜緒さん
秋田県在住

フラクタル心理学で結婚できない理由を読み解く

29歳でグラフィックデザイナーとして独立して、仕事は順調でしたが、結婚して子どもが欲しいと思っていました。仕事に追われて出会いの機会もなく、2017年に起業家交流会でフラクタル心理学を知って、講座を受講し始めました。

それから数ヵ月後に、友人の計らいで、二十歳の頃に2年ほどお付き合いした元彼と再会しました。別れてからも彼のことは忘れられずにいましたが、彼も独身でしたので「まだ好きみたいです。また会いたい」と言うと、彼から「1年半前に、親しくしていた女性と離れようとしたら、突然自殺してしまった。近い存在でありながら助けられなかったのに自分だけ幸せになるのは悪いと感じる。今は誰かと付き合ったり、結婚や子どもをつくることは考えられない」と告げられたのです。

初級講座を学んでいたので、相手が「友だちとしてなら会えるが、結婚はできない」と言うなら、私は結婚を望んでいると思っていても、私の深層意識(潜在意識)は望んでいないのだとわかり、解決法を探して講座を学び進めました。すると、私が4歳の時に2歳上の姉が亡くなった記憶が関係しているのではないかと気づきました。姉はもう二度と両親に甘えられないのに、それができる自分はズルいと思った記憶を思い出したのです。

彼だけでなく、深い意識の中では私も「自分だけ幸せになってはいけない」と思っていたのでした。この思いが彼に投影して、彼が「結婚できない」というのであれば、この思いを変えれば、彼も変わるはずです。突破口を見いだした気持ちで「幸せになってはいけないというのは勘違いで、幸せになっていいんだよ。自分から人生を切り拓いていけば、好きな人と家庭を築けるよ」という修正文を自分でつくって、深層意識に言い聞かせるように何度も読みました。

個人カウンセリングでの気づき

しかし、再会して1年経っても彼はまだ、自分が幸せになろうと考えると、苦しくなって前に進めないといいます。思い余って2019年の年末に、一色真宇先生のカウンセリングを受けると「『幸せになっちゃいけない』を修正するのではなく、『私を捨てたのだから、絶対に幸せになるな』と思った思いを修正しなさい」と予期せぬことを言われました。

それは亡くなった姉の思いであり、私自身の思いだといいます。実は、私も二十歳の時に、彼に振られて本気で死ぬことを考えました。そうすれば、私がどれだけ辛いのか、彼にわからせることができるし、一生罪悪感を感じさせて、彼の記憶のなかに残れると思ったからです。つまり、亡くなった女性ではなく、私そのものが「よくも私を捨てたな。(死んでやる。)お前は一生罪悪感を抱いて幸せになるな」という恨みの思いを持って彼を縛るから、その結果、自分をも縛り付けているのだといいます。

もうひとつ、最初に受けた入門講座での出来事についても一色先生に尋ねてみました。講座の誘導瞑想で、母親に世話されて幸せを感じている幼児の頃の場面が出てきました。そのイメージの中で次の瞬間、突然、場面が切り替わって、母親が赤ちゃんを抱っこして入ってくると、私は得も言われぬ悲しみに襲われて、講座中に号泣してしまったのです。実際に、両親や弟との関係は良好でしたので、なぜ、それほど悲しかったのかわからないままでした。

すると、一色先生から「そのときのあなたの悲しみは、お姉さんが感じたはずの悲しみで、お姉さんが亡くなることになった原因と同じです。あなたは二十歳のときに、実際に自分で感じることになりました」と教えられました。私が生まれると、母は私の世話をするために姉から離れ、残された姉はこの世の終わりと感じた。その絶望は、彼に振られたときの私の絶望であり、ひいては彼の親しくしていた女性の絶望でもあるというのです。

すべての原因となった思いを取り除く

現象を相似形で読み解くフラクタル心理学の視点で見ていくと、姉も彼の親しくしていた女性も、そして私も、相手に執着することから、嫉妬によって絶望し、それが恨みへと転じ、相手に呪いをかけたようでいて、実はそれに自ら囚われているのでした。

この相似形の連鎖を終わらせるには、私の深層意識の思考を変えなくてはいけないし、そうでなければ幸せになれないとわかりました。先生からは執着心を捨て去るための厳しく諭すような修正文と、癒しの入った優しい修正文の二種類をいただきました。最初は交互に読んでいたのですが、途中から厳しいほうは読むと辛くなるので、優しいほうの修正文だけを読むようになりました。

しばらくして、ある日、彼が車が廃車になるほどの大きな自動車事故を起こしたのです。幸い彼は無事でしたが、前日に、私が怒りを感じて彼に冷たくあたったことが、暗に関係しているのではないかと思いました。以前にも、私が「傷ついているのよ」といった被害者意識を出すと、それ以上に彼が傷つこうとすることがありました。

このままでは大変なことになると感じ、「私の根っこにある思考を絶対に変えなくては!」と意を決すると、急に厳しいほうの修正文を読みたくなりました。すると、読むのが辛かった厳しい修正文がどんどん入ってくるようになり、目の前が明るくなるのを感じて、次の一歩を踏み出す勇気が湧いてきたのです。

結婚して幸せな家庭を築けて

そして昨年3月、覚悟を決めて「このまま前に進めないのなら、別々の人生を歩みましょう」と彼に切り出すと、彼はこれまでのように目を背けることもなく、私を見つめて「一緒に家族をつくっていこう」と言ってくれたのです。

母の姉も2歳で亡くなっていて、幼い時に亡くなるパターンが続いていたため、子どもを産むことも怖かったのですが、今度こそ深層意識を修正できたと実感したので、安心して子どもが産める気持ちになれました。

そこからまっすぐに結婚に向かって動き始め、11月には入籍し、今年6月には息子が産まれました。主人は息子をとてもかわいがり、私のサポートもしてくれて、今まで何を悩んでいたのかと思うほどです。

今は育児休暇を取っていますが、これから仕事も再開していこうと思っています。子どもができたことで、子どもたちが安心して暮らせる世界をつくりたい、その手助けができたらと思うようにもなりました。そして、なによりも毎日、主人と息子の笑顔を見られることに、この上ない幸せを感じています。

2021年9月発行TAWプレスに掲載
文:(株) Mamu&Co. 藤田理香子