【TAWプレス再登場】同棲から令和婚へと発展 美容室チェーンの副社長になりました!

自ら行動を起こしたことで結婚の話が進み、父親から受け継いだ資質に気づいて、経営者としての思いを新たにしたというMAKIさんからお聞きしたお話です。

美容室チェーン副社長
                 MAKIさん
  千葉県在住

スタッフがよく働くようになり、私も会社への思いが強まって

――以前、7年前にお話を伺いましたが(Vol.44)、改めて学んだ経緯をお話しいただけますか?

個人美容室に6年勤務後、美容室チェーンに就職して3年で店長になり、その後6年で取締役になりました。人事と教育を担当していましたが、思ったように働かないスタッフに、どう接したらいいかと思い悩みました。

そこでフラクタル心理学を学ぶと、私の中に「仕事はツラいもの、もっと遊びたい」というインナーチャイルド*がいて、それがスタッフに投影されていると教えられました。深層意識(潜在意識)の多くが変わるには時間がかかると聞いて、根気よくスタッフを注意しつつ、一方で自分のインナーチャイルドを正していきました。すると、私自身が以前より仕事に積極的になり、スタッフもとてもよく働くようになったのです。

また、講座で「社長は親と同じ」と学び、社長が会社や社員のことをどれだけ考えてくれているかに気づいて、会社への思いも強まりました。美容学校でも講師として教えていましたが、「まわりは自分の深層意識」と知って、緊張せずに話せるようになり、教えることが楽しくなると講師の仕事も増えていきました。

採用担当として全国の美容学校を回るときにも、自信を持って会社をアピールするようになると、やる気のある学生が入社するようになりました。私が会社を大きくしたいと思い始めると、他の幹部も私の思いに賛同してくれるようになったのです。

講座で目標にした令和婚もできて

――今回、フラクタル心理学を再び受講して、変化したことをお話しいただけますか?

美容・健康コースで、「女性という性を選んで生まれてきたのだから、女性としてのメリットを活かしたほうがいい」と教わりました。仕事に没頭していましたが、パートナーがいたほうが楽しいと思えて、受講後すぐにマッチングアプリに登録すると、一週間で出会いがありました。講座で「思考が現実化する」「相手は自分」と学んで、よほど「この人は違う」と思わないかぎり、どんなタイプの人でも、私が変われば、相手も変わると思っていたので、出会いも早かったのでしょう。お互いの休日が合わず、間もなく一緒に暮らし始めますが、そこから5年ほど同棲期間が続きました。

2019年1月に、久しぶりに講座に参加しました。半年間で目標達成を目指す講座で、私は自分の目標を、「同棲している相手と結婚する」に決めました。講座で「結婚の話はいつもはぐらかされてきたので、どう相手を説得したらいいか」と尋ねると、講師から「相手を説得しようとするのではなく、あなた自身が『結婚する』と決めることが先です」と言われました。私が結婚に対して真剣ではないから、相手も真剣ではないのだとわかり、思いを定めて、自分から動こうと決めました。

この年は5月1日に年号が令和に変わる年で、5月1日の入籍は「令和婚」だと話題になっていました。そこで、手帳に「5月1日入籍」と記すと、相手に令和婚のことを話して、私の分を記入した結婚届を手渡しました。もし、5月1日になっても空欄のままなら、関係を終わらせようと覚悟したのです。

5月1日の当日になっても相手の欄は空欄のままでした。問い詰めると、相手はバツイチと言っていたけれど、実はバツ4で、一人と言っていた子供も三人いたとわかったのです。本当のことを知ったら、私も引くだろうし、それをきっかけに別れることになったら辛いので、言えないでいたといいます。

今までなら、彼が危惧した通り怒って関係を終わらせたところですが、フラクタル心理学で「相手は自分の投影」「自分次第で相手も変わる」と知っていたので、「4回も結婚したことがあるなんて、そんなにモテる人だったんだ!」「諦めずにトライするパワフルな人で驚いた!」と返すと、思ったのとは真逆の反応に、相手はびっくりしたようで、苦笑いしながら結婚届の空欄を埋めて判を押してくれたのです。もう二人の間には隠しごとはありませんでした。夜の9時を回り、急いで役所に届けを出し、私は41歳で、めでたく令和婚が成立しました。

副社長に就任 スタッフの育成に力を注ぎたい

――その後、仕事にもフラクタル心理学の考え方を取り入れましたか?

私は妹と二人姉妹ですが、講座で「自分が第一子を選んで生まれてきている」「第一子はリーダーを目指す」と学ぶと、小学生の頃に、小さな子も含めてよく近所の子供たちと遊んであげていたことを思い出しました。「安心して預けられるから、本当に助かるわ」とお母さんたちから喜ばれて、誇らしく感じていたのです。会社でもリーダーになることは、実は私が選び、望んだことなのだと腑に落ちました。

2020年には大きな変化が訪れました。社長が突然亡くなり、統括マネージャーだった社長の娘が急遽社長に就任したのです。それまで統括マネージャーとはそりが合わず、ぶつかることも度々でしたが、「私を助けてほしい。副社長として一緒に会社経営をしてほしい」と請われて、「私が支えなければ」と奮起し、一緒に会社を盛り立てていこうと決めました。

講座では「亡くなった人のエッセンスやエネルギーが自分の深層意識に戻ってきて、その役割を自分がやるようになる」と学びましたが、先代社長から「まあまあ」とたしなめられるくらいきつかった統括マネージャーは、社長になった途端、一転して穏やかになり、私も腹を割って何でも相談できるようになりました。私も彼女と同じように先代社長の役割を担うのだと自覚すると、以前にはなかった親の気持ちになって、スタッフを指導していこうという思いが湧いてきました。

私の父も私が二十歳の時に亡くなっています。父は会社を辞めて独立してすぐに亡くなったのですが、上級を受講した時に、講師から「あなたが今、お父さんをしているじゃないですか」と言われてハッとしました。そして現在、私がこうして経営者となり、父の夢の続きをしているのだと思うと、父の夢を叶えるためにも、経営者として成功したいと決意も新たになりました。

現在7店舗で50名のスタッフがいますが、すべて先代が築いた店舗なので、現社長と二人で新店舗を一から立ち上げていくことを目標にしています。それには社員教育は必須で、先日も「スタッフが美容の楽しさを忘れてるのでは?」と感じて、社内で美容コンテストを開催しました。スタッフからも「楽しかった」と言われて、職場に活気が戻ってきたのを感じました。今後も活性化のためのイベントや教育システムを取り入れて、スタッフのスキルアップと共に、美容師という仕事のすばらしさを伝えていきたいと思っています。

小さな頃から担当していたお客様が結婚して、お子さんが産まれ、ファーストカットを頼まれることが増えてきました。20年以上美容師を続けてきたからこそ味わえる喜びです。フラクタル心理学で「大きなものを得るには大人の思考を使うので時間がかかる。チャイルドの思考を使って楽々簡単に得たものはそれなりのものでしかない」と教えていただき、すぐに結果を求めるチャイルドの思考が出てくると、その都度そのことを自分に言い聞かせてきました。意識を高く持って地道にコツコツ続けてこられた結果、今その喜びをたくさん受け取ることができています。

*インナーチャイルド:深層意識のなかの成長しきれていない未熟な部分

2022年11月発行TAWプレスに掲載
文:(株) Mamu&Co. 藤田理香子