母の子育てを再評価して、独り勝ち思考をやめたら、仲間と一緒にオンラインでの活動に取り組めるようになったという竹内華子さんからお聞きしたお話です。
親子育ちあい教室 ぽぽらんど主宰
作業療法士(子供の発達専門)
竹内華子さん
富山県在住
愛について学び、受講生に自立を促すようになる
――以前、お話を伺いましたが(Vol.49)改めて学ぶきっかけと変化についてお話しいただけますか?
15年前、子ども2人を育てながら起業して、一般のママ向けに赤ちゃんの発達指導の教室や、子育て講座を開催し、母子支援者向けの講座でセミナー講師として活動してきました。そして、起業から6年後に、フラクタル心理学の講座を受講し始めました。
フラクタル心理学を学ぶ前は、私自身が「子どもと一緒にいてあげることが愛」と思っていたので、教室に来るママたちからも「保育園に預けるなんてかわいそう」という声をよく聞きました。しかし、家族関係コースで「愛とは自立を促すこと」と学んでからは、「保育園は子どもが育つ環境が整っていて、子どもにとって良い刺激が得られます。保育士は子育てのプロだから、信頼していいんですよ」と話すようになり、保育園に預けることに不安を感じていたママたちから、「心配せずに子どもを預けて働けるようになった」と、喜んでもらえるようになりました。
また、「まわりは自分の深層意識で、相手を信頼することでお互いを活かしあえる」と講座で学ぶと、母子支援セミナーに来ている受講生は、それぞれに専門知識を持った人たちという認識に変わり、セミナー講師として育成していこうと考えるようになりました。
すると、フラクタル心理学を学び始めてから1年後には、県外から講座開催の依頼が来るようになり、母子支援のプロも育ち、講座の開催数が増えて受講生数は3倍、収入は2倍になったのです。
リーダーシップコースでブレない軸ができる
――再び講座を学ばれて、どんな変化がありましたか?
5年前にリーダーシップコースを受けて、「豊かさを生み出す法則」を学び、自分のチャイルドに言い聞かせる文章を作りました。「子どもの頃から厳しく育てられて、私はとても生産能力が高く、責任感がある勤勉な人になったね。賢くて何でもできる脳と身体を持っているね。だから、私は富を得るのにふさわしいんだよ」という内容ですが、寝る前にこれを読むと、「私はもっともっとできる」と思えるようになりました。
そして、自分の使命として、「母子を始め、家族が学びあい育ちあい、安心して子育てができる社会にしたい」と記したことで、ブレない軸ができたように感じました。前に進むことへの不安が消えて、自分自身への信頼が増していったのです。
私は何十年もの間、身体から脳の働きのことまで学んできて、子育ての講座を開催し続け、子育てに伴うママたちの心理的変化をたくさん見てきました。そしてそれら全てを発信できるのは自分しかいないと思えるようになりました。
自分自身への信頼と人生の目的が定まったことで、これまで対面でしか教えていなかったベビーマッサージの教室や子育て講座をオンライン化し、準備中だったオンラインサロンも早々にスタートさせました。コロナ禍の一年前のことです。
この頃、お正月の家族の集まりで、私の母が「子どもを4人育てて大変だったけれど、全員がちゃんと結婚して仕事もしていて、誰1人として人に迷惑をかけることもなく、全員普通に生活できているって、これ以上ない幸せだわ」と言うのを聞いて驚きました。以前、講座で「普通であることがどれだけ素晴らしいことか」と学びましたが、母が「普通が素晴らしい」と思って子育てをしていたとは、なんて母はすごいのだろうと思ったのです。仕事をしながら4人の子育てをしてきた母のことを尊敬し、母のようになりたくて、今の仕事を始めましたが、これを聞いたことで、「私がママたちのお母さんになって、このことを伝えよう」と決心しました。
独占や支配的思考を修正して
――転機となった気づきなどありますか?
きっかけは一色真宇先生のグループカウンセリングでした。私が4人姉弟の長女であることを話すと、一色先生は、「たくさん弟妹がいるというのは、みんなで上がるためです」とおっしゃいました。
これをきっかけに、長女として弟妹に対して支配的に振舞ってきたことや、独り勝ちの思いが強いことを自覚するようになりました。それと同時に、たくさんの弟妹の中で育ったことで、仲間と一緒に何かを成すことが得意だということにも気づきました。そこで、「私が一番じゃないんだよ。みんなで力を合わせて協力して成し遂げればいいんだよ」と自分に言い聞かせましたが、十分にやり切れてはいませんでした。
その後、リーダーシップコースを受けた時に、講師から「みんなで上がればいいんですよ」と再度言われて、やっとそのメリットが腑に落ちたのです。フラクタル心理学では兄弟は同僚と同じ立ち位置にあると学びます。仲間も私の深層意識だとしたら、1人でよりも、みんなで同じ方向を目指したほうが早く目的地に到達できるでしょう。成功パターンを独占するよりも、みんなでその成功パターンを利用すれば、そのほうが早く、ママたちの子育てが楽になって、世の中もより良くなると思えるようになったのです。
オンラインサロンの会員が増えて
――オンラインサロンの活動に変化はありましたか?
今の子育て世代は、SNSで情報収集をするので、昨年からインスタグラムの運営チームを作り、SNSを使った集客に本腰を入れ始めました。チームのメンバーはオンラインサロンの現役のママたちで、フラクタル心理学も学んでいました。最初はスムーズに進まないこともありましたが、チームメンバーのフラクタル心理学の学びが進み、私自身の「みんなで上がる」という思考がチームにも投影され始めると、それぞれが役割をしっかりこなすようになりました。それと共に、インスタグラムのフォロワー数が増え、指数関数的にオンラインサロンへの入会者も増えていったのです。
オンラインサロンのメンバーは、最初は子育てに悩めるママたちで、私のような発達指導の専門家からの助言で悩みを解決することも多くありますが、同じママの立場からお互いの子育ての経験をシェアすることも、悩み解決の一手段となっています。また、ママたちで自主的なオンラインサークルを開催するようにもなりましたが、これは、私が「親子育ちあい教室 ぽぽらんど」を始めた時に、「学びあい育ちあう」をコンセプトにしたことが現実化したように感じています。
オンラインサロンの中では、フラクタル心理学の受講も勧めています。講師の先生方の協力を得てサロンメンバー限定の体験会や講座を開催していただき、たくさんのメンバーが家族関係コースや入門講座を受講して、上級まで進む人も年間で10数名でてきました。
そうしている間に、受講後の変化をシェアしたい、もっとフラクタル心理学について話したいという声が上がり、サロンの中に、フラクタル部というママたちの部活動の場が自発的にできました。フラクタル部のメンバーには、カウンセラー養成講座を受講した人たちもいて、お互いにカウンセリングの練習会をしたり、モニターでカウンセリングを受けたことがきっかけで、フラクタル心理学を学び始めるママたちも増え、ママたちの中で良い循環ができています。
起業当時は、全国各地で育児教室や講座を開きたいと思っていましたが、コロナ禍で一時断念せざるを得ませんでした。しかし、コロナ禍の一年前から始めていたオンラインサロンにとっては追い風となり、サロンメンバーは全国に広がっていきました。現在は260人ほどのメンバーがいますが、2、3年以内には1000人に増やしたいと思ってます。私が1人で対応するのではなく、1人のメンバーに対して残りの999人のメンバーがメッセージやアドバイスを送るという、究極の育てあいのコミュニティを作ることを目標に、「みんなで上がっていきたい」と思っています。
2023年10月発行TAWプレスに掲載
文:(株) Mamu&Co. 藤田理香子