夫婦仲も良くなり長野に移住、200坪の土地に家を建て、理想のライフスタイルを手に入れて

周りは全て自分の投影と気づいて自分を変えると、移住して理想の生活を手にすることができたという有時倫子さん、直哉さんご夫妻からお聞きしたお話です。

有時倫子さん 直哉さん               長野県在住

自分が発した思いに苦しめられて

――学んだきっかけと最初の気づきをお聞かせください

倫子さん 夫とは公務員同士での結婚でした。私は市役所勤めで、長女を出産後に職場復帰しましたが、産後うつになってしまい、娘が言うことを聞かないせいで心身ともにボロボロになったという恨みのような思いと、そんなことを思うなんて母親失格だと自分を責める思いに苛まれました。

5年後に次女が生まれてから、心理セラピーを受けて、長女が8歳になった頃にはうつが改善してきたことで、将来は心理セラピストを目指そうと思い、深層心理を学ぶためにフラクタル心理学を受講し始めました。

講座では、その頃感じていた夫への不満を話しました。仕事帰りに飲みに行くと連絡もないまま帰りが遅くなり、私の言うことを聞いてもくれないのは、大切にされていない証拠で、離婚も考えていると言うと、「旦那さんを悪者にしていますね」と講師に諭されました。夫ができていないことを取り上げては、夫を見下して優越感を得ているが、パートナーシップが悪化する原因はそこにあり、実母にも同じようにしていたのではないかというのです。

子供の頃を振り返ると、「お母さんが遅かったから」「お母さんがしてくれなかったから」と、思い通りにいかないと母のせいにしていたことを思い出しました。講座で「360度自分」で、自分の思いが周りに現れると知り、心の中で母に謝り、娘に自分の思いを伝えると、娘も「何でもお母さんのせいにしていた」と打ち明けてくれました。

その頃、職場では権力を振りかざす上司、組織のルールに従わない先輩、文句ばかり言うアルバイトと、周りは困った人たちばかりで、それが全て自分の投影だと気づき、本気で自分を変えなくてはと思いました。

移住先で土地が見つかり家を建てる

――夫婦関係はどうなりましたか?

倫子さん パートナーシップでも方向転換を図りたいと思いました。「最も大切にしたいこと」を夫婦で話し合うと、私は自己実現や仕事で、夫は環境というので、「人生で一番良かった場所は」と聞くと、「大学時代に過ごした長野」と夫が答えました。講座で「夫婦とは?」と問われた時に、私は「相乗効果」と答えたのですが、セラピストをするなら環境はあまり関係ないので、夫の思いを優先しようと、思い切って移住することに決めたのです。

さっそく夫は長野県の公務員試験の勉強を始めました。夫はやるとなったらやる人でしたし、宅建の資格も持っていたので、仕事も何とかなると思いました。

移住先を探しに長野に行き、大学時代に夫が暮らした伊那谷に寄った時に、緩やかな坂が続く美しい風景を前に、喜びに満ち溢れた表情の夫を目にして、移住先を伊那谷に決めました。その後、公務員試験に合格した夫は長野の役場の職員になり、私も子育ての傍ら、役場でアルバイトを始めました。「360度自分」が身に染みて、意識が変わったからでしょう、職場環境にも恵まれ、周りは優しい人たちばかりになったのです。

関西でも10年ほど家探しをしてきましたが、長野に移住してくると1ヵ月で気に入った土地が見つかりました。人を呼んでイベントが開けるように土地は広く200坪で、設計にも私たちの希望を入れました。途中で予算を超えそうになりましたが、講師から「絶対に1つも諦めないと決めなさい」と言われて、思いを定めると、外構工事が予定よりも安くできて、予算内で収まり、昨年10月には理想の新居が完成して引っ越すことができたのです。

子供の自分を抱きしめるとパワーアップして

――講座で学んで良かったことをお聞かせください

直哉さん 妻の変わりように驚いて、2021年の秋から受講し始めました。講座では過去を変えられると学びましたが、振り返ると、小さい頃のぽっちゃりした自分が嫌いでしたし、高校の時に女の子に振られたことや野球をやめたことなど、思い出したくありませんでした。

誘導瞑想を行うと、小さなジャイアンのような子供の私がしくしく泣いているイメージを見ました。その子は大人の私に嫌われて寂しいのです。そっと抱きしめると私自身がすごく癒されて、子供の頃のエネルギーを味方につけてパワーアップしたように感じました。 

アニメの『名探偵コナン』に「真実は一つ」という決め台詞がありますが、講座では真実は一つではなく、意味付けで変わるので、出来事をどう捉えるかが大事だと学びました。妻に言わせると、写真に写った子供の頃の私はぽっちゃりしていてかわいいし、女の子にふられるなんて誰にでもあることだといいます。野球をやめてテニスやほかのスポーツができたので、それがあったから今があるともいえるのだから、ダメなレッテルを貼ったのは自分の思い込みだったと気づきました。

母への思いの変化とこれからのこと

直哉さん 胎児の瞑想をした時に、自分で姿かたちを選び、母のお腹を借りてこの世に生まれたという感覚を得ました。精神的にどこか母に依存するところがありましたが、自分は自立した存在だとしっかり認識できました。

それでも、健康な身体を与えてくれたのは両親ですから、両親に感謝の思いを向けると、現在41歳ですが、朝のランニングで30代前半のタイムが出るようになりました。もともと消防士でしたので、身体を動かすのは好きでしたが、こんなふうに身体が強いことを意識したり、自分の存在を見つめて、自分自身を幸せにしたいと思えたのは、講座で学んだお陰だと思っています。

講座のワークで、受講仲間と3年後を語る未来トークをした時に、「地域にも馴染んで、そろそろ家を建てようかと思っている」と話しましたが、その通りになりました。職場にもすぐに馴染んで、周りにも友達がたくさんできて、移住1年半で家も建ちました。

最近行った誘導瞑想では、段ボールを持ってログハウスか直売所にいるイメージを見ました。大学は農学部でしたので、作りたい野菜もあります。ダンボールの中は野菜だったのかもしれません。妻とは、家が建ったので、次の目標が見えてきたのではないかと話しています。 

娘たちとの向き合い方が変わる

――娘さんたちにも変化はありましたか?

倫子さん 講座で学んで3年が経ち、小学5年生になった長女も、「大人は楽しそうだから、早く大人になりたい」と言うようになりました。4年生の時から晩御飯の準備を手伝ってくれていますが、中学生になるまでには家事があらかたできるようにと教えています。次女も幼稚園の年長で4月からは小学生です。自分の洗濯物をたたんだり、自分のことは自分でしています。娘たちは言われたことを素直にしてくれるので、躾がスムーズになり、子育てを楽しめるようになりました。

直哉さん 家庭では子供が中心で、何でもしてあげなきゃいけないと考えていましたが、親が自分というものを持って、生活を楽しんでいれば、子供は必ず自立して、自分らしく人生を歩んでいくと思えるようになりました。

倫子さん 子供との関わりやパートナーシップ、職場での人間関係や、移住したことも含めて、生活全般が劇的に変わりました。念願の一軒家に暮らし、夫婦ともに理想のライフスタイルを手に入れました。サロンも併設させたので、子育てが一段落したらカウンセラーの活動もしていきたいと思っています。

2024年1月発行TAWプレスに掲載
文:(株) Mamu&Co. 藤田理香子