福祉関係の仕事から一般の会社に転職し、カウンセラーとしても活動するようになったという富田智子さんからお聞きしたお話です。
会社員・フラクタル心理カウンセラー
富田智子さん
島根県在住
フローラプログラムを受講して金融関係の仕事に就く
――学んだきっかけと最初の気づきをお聞かせください
第二子が生まれた2014年に、ベビーマッサージを教えているフラクタル心理カウンセラーの先生が開いたお母さんのためのミニ講座に参加したことがきっかけでフラクタル心理学を知りました。専業主婦だった私は、仕事が忙しい主人に対して、少しは家のことを考えてほしいと思い、女の人はそんなに働かなくていいと言う義母に対しては、外で働かせてもらえないと思ってきましたが、このように周りへ不満を持ち続けるのは苦しいので、どうにかしたいと思っていました。
2017年にフローラプログラムを動画で受講すると、どうやら私自身の考え方に原因があるらしいとわかりました。フローラプログラムを受けたことで、私の中の生産性が高まったのでしょう、2ヵ月後に、知人を通して地元の金融機関の窓口業務の仕事の話が舞い込みました。パートとはいえすごく神経を使う仕事で、大雑把な私には到底できないだろうと思えましたが、普通に考えると人づてで来るような仕事ではなかったので、思い切って受けることにしました。初めて取り組む仕事内容に戸惑うことも多く大変でしたが、その間もフラクタル心理学を勉強し続けて、「できる、できる」と自分に言い聞かせると、ほどなくして業務をこなせるようになったのです。
挑戦していないことに気づき資格を使って転職する
――その後どのような変化がありましたか?
働き始めて数年後に、実家の父が退職することになりました。父は営業成績がトップであるにも関わらず正社員ではありませんでした。退職金も違ってくるのに、なぜ父は正社員になろうと挑戦しなかったのかと、私の中で怒りが湧いてきました。
この怒りの理由を知るために、個人カウンセリングを受けると、「あなたにも挑戦していないことがありませんか?」と問われて、自分のことを振り返りました。結婚までの7年間、福祉施設でホームヘルパーとして働いていました。相談業務に就きたいと大学に行かせてもらったのに、いざそのチャンスがきても、まだ経験がないから人の相談になんてのれない、と現場しか経験しないまま退職していました。
私も相談業務に挑戦してこなかったところが、父と相似形だとわかり、今度こそ相談業務に挑戦しようと決意しました。「どういうところに就職したいのか、何時までで、どんな場所かと事細かに決めなさい」とカウンセリングで言われたので、自宅から近い介護施設で、正社員で勤務時間は17時までと決めました。
地元では求人は少ないのですが、自宅から5分のところにぴったりの求人が見つかり、2020年40歳の時に正社員として採用され、老人保健施設の相談員になることができました。
入所者数を採算ベースにキープするのが私の仕事でしたが、施設の職員からは手のかかる入所者は嫌だと言われ、病院からは入所させたい人がいるとせかされて、何に従ったらいいのかわからなくなりました。
そこで、カウンセリングラボを利用してフラクタル心理カウンセラーの方に電話相談をしました。施設の事務長は偉そうにしてるだけで何も詳しいことを知らずリーダーシップを取らない、と周りから思われていると話すと「上司を馬鹿にしていませんか?」と諭されて、「『上は正しい。上司は正しい』という修正をしましょう」とアドバイスされました。周りから思われているなら、私自身が思っているのと同じだと気づきました。
次の日、職場に行くと、事務長がリーダーシップを発揮して、「この施設では今後、入所者数をこの数字でキープするのを第一優先とします。後のことは二の次です」と方針を明らかにしました。職員全員が上に従う流れができて、とても仕事がやりやすくなったのです。
これが一夜にして起こったのは驚きでした。フラクタル心理学には何に対しても解決法があることがわかり、それ以来、問題が起こるたびにカウンセリングラボを利用するようになりました。
生まれた時の思考を知って
――その後、何か転機はありましたか?
私が老人保健施設に入社してしばらくして、コロナの影響でオンラインでもフラクタル心理学を受けられるようになり、念願だったマスターコースを受講し始めました。講座では「人の世話というところを卒業して、いつか何かを生み出していく仕事ができるといいですね」と何度か言われました。「いつかそうしたいです」と返事をしつつ、いつかの自分に期待して、そのまま養成講座まで学び進んでフラクタル心理カウンセラーの資格を取りました。
その後、健康診断で胸にしこりと、肺に影があると言われて不安になり、一色真宇先生のカウンセリングを受けました。一色先生からは、職場で体調不良や寝たきりの人を見ることで、自分の体調も影響されると言われました。生まれたところをイメージする誘導瞑想をすると、「誰かにひっついていたい、私のことを抱っこしていてよ、私をもっと楽しませてよ」という思いを感じました。そのことを話すと、「自分で生み出すのではなく、人に楽しませてもらう世界だと思って生まれたようですね。あなたは諦めています。諦めがあまりにも多いので、人の世話をしようと思ったのです。自分が世界に影響力があると思わず、自分が無力だと思っています。常に誰かを探し求めて期待していた新生児の頃に戻って修正が必要です」とアドバイスされました。
「自分は無力だと思い、人がしてくれると思っているけれど、そうじゃないんだよ。空っぽの世界で自分は無力だと感じるのは当たり前なんだよ。何かを達成するには時間がかかるから、自分の手が動いて、足が動いて、何かが一つできるようになって、また次に何かができるようになって、そして、世界に一つずつ影響を及ぼしていくんだよ」と一色先生が優しく誘導してくださり、これを修正文にして読むように言われました。「微細な思考の修正なのでタイムラグがあり、修正には10年かかります。これに意味があると信じてやっていくことで必ず変わります」と励まされました。
地域の一般企業に転職
2023年の初めに、「ママのための心の癒し-ママここサロン」に参加して、「いつかは福祉系を離れて一般企業で元気な人を相手に働きたい」と自分の思いを話すと、参加者の方から「いつかではやらないから、すぐにやったほうがいい」と言われました。
相談員は私だけなので辞めにくいと思っていましたが、辞めると決めて申し出た途端に、新しく相談員が入社することになり、周りの職員からも「頑張ってね」と言われてスムーズに辞めることができました。
退職して次の仕事を探し始めました。社員の人たちが生き生きと働いていて、自分たちで何かを作り上げていくことを実感できるような職場で、子供のスポーツのサポートがあるため土日は休めるところと決めると、山陰地区の地域情報サイトを運営している会社が目にとまり、試験を受けて正社員になることができました。
――新しい会社で心境の変化はありましたか?
新規開拓チームに配属され、情報サイトの加盟店の営業をすることになりました。出雲市内の店舗を回って情報サイトへの加盟を募り、ホームページを作成したり、ブログでのニュース発信の仕方をお伝えして、繁盛店になるようにサポートしていく仕事です。
入社して半年ですが、同じ営業の仕事をするようになって初めて父の苦労がわかりました。父は自動車販売の営業をしていたのですが、お客さんが「この人はいいよ」と父のことを知り合いに薦めてくださる形で、多くの顧客を獲得していたのです。車を売っているようで実は父自身を売っていたのだと気づきました。楽しそうにやっているように見えましたが、新しくお客さんを獲得していくのは苦労も多かっただろうと思い、父のことを尊敬できるようになったのです。
私が変わると家族全員が変わり始めて
――お子さんやご主人との関係は変わりましたか?
出勤してから職場の先輩と商談の振り返りをするのですが、「昨日はこんなところがダメでした」と私が報告すると、「どうしてダメなところを言うの? 良いところもいっぱいあるはずよ」と先輩から言われました。悪いところばかり見て、良いところを見ていなかったのです。
自分にダメ出しするように、中二の長女、小五の次女にもよくダメ出しをしていたと気づいて、子供たちの良いところを見るように心がけました。すると、周りから子供たちの良い噂が耳に入るようになったのです。2人ともバレーボールの部活をしているのですが、後輩のことをちゃんと見て足りないところを教えていたとか、外ではきちんとやることをやっていたのだとわかりました。
主人との関係も大きく変わりました。いつも上から目線で主人に文句ばっかり言っていましたが、本当に申しわけなかったと思えるようになりました。子供たちが小さい時も、主人は夜中まで働いて、朝早くに出て行き、不平一つ言わずに仕事をしてくれていたのです。主人に感謝して、素晴らしい主人だと思えるようになると、主人は出世して昇格し、お給料も上がりました。
実家の家族は祖父母と両親と妹ですが、長女なので私が一番偉いとずっと思ってきました。結婚して嫁に行っても相変わらず偉そうにしていたのですが、講座で学ぶ中で自分がなんと傲慢だったかを知りました。両親や祖父母が目の前にいると思って、今まで偉そうにしていて本当にごめんなさいと謝罪し、これまで育ててもらったことに感謝すると涙が溢れてきました。意識の中で家族のヒエラルキーが変わると、両親との関係がすごく良くなり、両親もとても元気になりました。
同居している義理の両親とも信頼し合える良い関係になりました。義理の両親は80代ですが、家のことをしっかりしてくれて、畑仕事もしてと、以前より一層元気になりました。私も健康診断の結果で問題ないとわかり、今まで以上に張り切って仕事をしています。
フラクタル心理学を学ばなければ仕事もしていなかった
電話相談でお世話になった先生に勧められたことがきっかけで、私もカウンセリングラボに登録しました。カウンセラーをするとは思っていなかったので、これも挑戦の一つになります。私が一番相談したのではないか、と思えるくらい何度も電話相談を利用してきて、そのたびに大きな気づきがあり、気軽に利用できる電話相談の良さを実感してきました。これからは相談される側として、お役に立てるようになりたいと思っています。
もしフラクタル心理学を学んでいなければ専業主婦のままで、最初の挑戦となった金融機関の仕事の話もきていなかったと思います。それ以降、これまでしてこなかったことに挑戦してきましたが、挑戦に意味があるのだと気づかせてくれたのもフラクタル心理学です。一筋縄ではいきませんでしたが、コツコツと積み上げながら、できないことができるようになったときには、すごく嬉しくて自己肯定感も上がりました。
生まれた頃の思いを修正し始めてまだ1年ほどですが、仕事を通して、人と一緒に作り上げる楽しさを知り、私も相手に影響を与えることができるのだとわかってきました。これからも人との出会いを広げながら、少しずつ信頼関係を築いていきたいと思っています。
■カウンセリングラボ (フラクタル心理学電話相談)
2024年7月発行TAWプレスに掲載
文:(株) Mamu&Co. 藤田理香子