売上げ前年同月比170パーセント達成! 食品部門の総合成績で1位となり百貨店から表彰されました!

母親への思いを修正して働き始めると、百貨店に出店する洋菓子店の店長となり、優秀彰を受彰するまでになったという相沢祥子さんからお聞きしたお話です。

会社員
相沢祥子さん
                 東京都在住

母のようにはできていない自分に気づき働き始める

――学んだきっかけと最初の気づきをお聞かせください

結婚して2人の子供にも恵まれ、専業主婦として子育てをしていました。2012年、長女が小学4年生、長男が1年生のときに、フラクタル心理学を学んでいる近所の方から、モニターでカウンセリングを受けたのがフラクタル心理学との出会いでした。

私は母に対して複雑な感情を抱き、人との付き合いもうまくいかず、人生に虚しさと漠然とした不安を抱えていました。カウンセリングでは、母が占い好きで小さい頃から進路を全て母の占いで決められてきたことや、両親が共働きで家におらず、話を聞いてくれなかったこと、兄と二人兄妹で私が家事をさせられたこと、食事は温かいご飯ではあっても、好きなものではなかったことを話しました。

すると、「お母さんのこと大好きなんですね」と思ってもみないことを言われたのです。「母のことはイヤだし、母のようにはなりたくない」と言うと、「それならば、あなたはお母さんのように働きながら家庭のことをこなせますか?」「仕事から疲れて帰って、火を通した食事を用意してくれたのは愛ではないのですか」と問われて涙が溢れました。母のことが好きな自分、母ほどには全くやれていない自分に気づき、「変わらなくては」と思い、朝の7時半から12時までパートでスーパーのパン屋で働き始めたのです。

その後、カウンセリングをしてくださった方がフラクタル心理学の講師になると、ミニ講座やカウンセリングを受けるようになりました。

傲慢をやめて能力を身に付けることを決意する

――大きく変化したのはどのようなことからですか?

その後、カウンセリングのモデルとして、一色真宇先生から直接カウンセリングしていただく機会に恵まれました。小学生の時から体が弱く、学校も休みがちで、友達ともうまくいかず、中学以降もなかなかクラスに馴染めなかったこと、引っ込み思案で、人見知りで、人に話しかけられないためパート以外で働きたいと思っても、職場に入るのが怖いこと、これまで母の占いで進路を決められてきたため自分で決められず人生が楽しくないことを話しました。

すると一色先生から、私は生まれた時から大切にされてきたお姫様で、注目を浴びることや、かわいがられることが当たり前になっていて、逆に見てくれないと「怖い」「イヤだ」と人見知りになり、「話さない」「行かない」「やらない」と決めてしまったのだと言われました。占いで決められたというのは私の被害者意識で、本当は臆病に見せて自分で決めずに母に占いで決めさせてきたのだというのです。

また、主人がサラリーマンを辞めてフリーランスで仕事を始めたけれど軌道に乗っておらず、どうしたらいいかと尋ねると、どうしたらいいかというのは、ご主人を下に見ていて、自分が助けなければいけない状況を作るために、心の中ではご主人に失敗しろと思っていることになると言われました。自分は王様と思い、傲慢で偉そうにして、人を見下すことで充実感を味わっていると指摘されたのです。

一色先生の言葉は衝撃的でしたが、これまでの漠然とした虚しさや不安な気持ちの答えをいただいたような気がしました。私は「かわいそうな弱い子ではなく本当は傲慢で怠慢な子」だったのです。そして、一色先生からは「まず人の上でいることや、上から目線で笑うのをやめること。自分と主人を切り離し、コツコツ学び、学んだことを自分の収入に繋げること」というアドバイスをいただきました。

その後、何もしていないのに自分を大きく見せたい、他人を失敗させて自分が上に立ちたいという気持ちを変えるために「自分をもっと小さくしなさい、針の孔くらい小さくしなさい」「来るものは全て引き受けて、自分に必要な能力をつけるように」と講師の先生方からされたアドバイスを全て実践しようと決意しました。

来るものは引き受けると決意すると、娘の小学校でプール運営委員に選ばれ、委員長を務めることになりました。委員会では保護者からプールの使用を廃止したいとの意見が出ましたが、これは保護者の負担が大きすぎることが原因でした。校長や市役所と協議して、保護者の責任となっていた安全体制を、市役所の責任に移行し、ライフセーバーによる救急搬送の手順や保護者への事前説明を導入して整えた結果、保護者の負担が軽減して、プールの運営を続行できることになったのです。

娘が中学校に進学すると、プール委員長としての実績が評価されて、PTA会長に推薦されました。その後、娘が卒業するまでの2年間、PTA会長を務め、卒業式で卒業生、保護者に向けて壇上で祝辞を述べた経験は、引っ込み思案と思っていた私には信じられないような出来事でした。

中学校のPTA会長として卒業式での祝辞

正社員になって店長として売り場を任される

――お仕事での変化はありましたか?

2015年にパン屋を辞めた後に、百貨店にある洋菓子店にパートで採用されました。娘は15歳で高校受験を控えていましたし、息子はまだ小学生なのでパートでいましたが、入門講座や夢実現講座を受けて、自分なりに目標を立てて取り組むと、店長としてショッピングセンターにある店舗を任されるようになったのです。

ところが、コロナ禍により、新たに着任した社員が店長として売り場の運営を任され、私は店長の職を退くことになり、大きなショックを受けました。能力があれば店長を務められるという考えは、甘かったと痛感しました。

空いた時間を活用して父から勧められたキャリアコンサルタントの勉強を進め、国家資格を取得しました。夢実現講座で、これからカウンセリング活動をしていきたいと話すと、講師から「まずは2年間、正社員として働き、店長として責任を持ち、経験を積んでから考えてみてはどうか」とアドバイスされました。

実際、パート先の会社から正社員にならないかと打診されていました。「何かをするのなら120%の力でやるように」と講座で教えられていたので、正社員になって全力で取り組もうと決意しました。

正社員として採用されると、閉店の危機にある売上げ不振店の立て直しを求められ、百貨店に出店している売り場の店長に任命されました。スタッフの異動に伴い、接客経験のない学生アルバイトや転職者を採用してゼロから育成する必要がありました。

店長の立場であっても、新たに外部から入るのですから、1から学ばせていただく気持ちで取り組みました。「相手は自分の深層意識」と捉えて相手に言いたいことは自分に向け、相手の言葉は自分を成長させるメッセージとして、周囲の言葉に真剣に耳を傾けました。

初売りでの失敗とリーダーシップコース受講

店長を任されて3ヵ月後、2023年お正月の初売りで福袋の販売を行うと、初日の1時間で100人ほどのお客さまが私の売り場に押し寄せて大混乱となりました。福袋や整理券の準備、在庫の確保に運搬、販売の手順など、勝手がわからず準備不足が原因でした。百貨店の担当者から大変なお叱りを受けて、 次は準備をきっちりするようにと言われました。

その年の秋、リーダーとしての自覚を高めたいと思い、リーダーシップコースを受講しました。「成功の目的とは」のワークでは「食品部門上位5位以内に入り、売り場面積が拡張した時に、私は成功したことを認めます」「3年後には売上げ2倍」「その時得られるのは地位と名誉です」と書いて、仕事の目標を明確にすると共に、アファメーション*で「調和しろ」「人に聞け」「責任を取れ」「言い訳せずにやれ」と毎日、唱えました。

前年の問題点、反省点を全て洗い出して、昨年1月の初売りでは、福袋の初日販売を先着50名と決めて、あとはそれ以降の販売に振り分けたところ、初日は10分ほどで無事完売して安堵することができたのです。

売り上げも含めた総合成績で1位となって

――実現できた目標はありますか?

夢実現講座のワークでは、売上げの目標金額を前年比120%と決めましたが、24年9月単月の前年比では170パーセントの売上げを記録することができ、予算比では145パーセントを達成しています。

年2回の接客覆面調査では126店中8位で、洋菓子売り場では2位でした。次は1位を目指したいと思います。また、衛生検査では、年に2回ほど清掃やスタッフの身だしなみ、食品の管理体制などが調査され、教育面では、離職率がゼロで、そのような売り場は少ないということで評価されました。これらの調査の結果、食品部門126店舗中、接客、売上げ、衛生、教育の総合成績で1位となり百貨店から表彰されました。

また、百貨店では、お客様からお褒めの言葉をいただいた社員が表彰され、名札に星印がつけられますが、 結婚前に百貨店で接客の仕事をしていた時も、固定のお客様はついても、接客で表彰されることはありませんでした。そこで、この星をいただけるような、お客様のための接客をしようと心に決めました。

ある時、 母の日のプレゼントについて電話で商品説明をしたお客様が、配送ご希望で、ご来店いただくことになりました。小さいお子様をベビーカーに乗せて来店された際に、「わざわざお越しいただきありがとうございます」とお声掛けしたところ、後日「商品説明がとてもわかりやすく、来店時の接客と、掛けてくれた言葉が嬉しかった」と百貨店までお褒めの言葉をお寄せくださいました。

それによって百貨店から表彰されて星印をいただき、本社でも社内報で食品部門総合1位になったこと、接客優秀者として表彰されたことが紹介され、モデル強化店舗として選出されました。この時、リーダーシップコースのワークで決めたことが実現されていることに気づき、思考が現実化することを実感したのです。

娘が在外公館派遣員に 改めて母を尊敬できるようになって

――ご家族の変化などありましたらお聞かせください

大学4年生の娘が在外公館派遣員の試験に受かり、大学を休学して昨年9月から2年間、外務省の在外公館派遣員として、中東のバーレーンの日本大使館に駐在しています。私がPTA会長をしている時に、娘は生徒会の副会長をしていたので、親子は相似形だと思いましたが、海外で見識を広めようとしている娘を見て、私も広い世界に出ていきたいという気持ちが湧いてきました。

売り場にもSNSを見て来られるインバウンドのお客さまが増え、本社も上場企業の傘下に入り、シンガポールで海外初の催事を行いました。私もこの先を目指したいと思い、英会話の勉強を始めました。

夫も仕事が順調になり2023年のG7広島サミットの仕事を任されました。今では、こんなにも素晴らしい能力を持つ夫に助言しようとしていた自分が恥ずかしく思います。息子も昨年志望大学に合格することができ、今年の春には留学を控えています。

これまで、どこかで母のことを軽んじていましたが、自分でしてみると、働きながら温かい食事を用意するのは大変なことだとわかり、日々温かい食事を出してくれていた母に心から感謝できるようになりました。最初のカウンセリングで、「お母さんの稼いでいたお給料を超えることができますか?」と聞かれましたが、今やっと、超えることができて、母のすごさがわかりました。

両親は「あなたは何もできないと思っていたのに、PTA会長になり、仕事で表彰されるまでになるとは思わなかった」と喜んでくれています。両親を安心させることができて、育ててくれた恩返しがほんの少しできたのではないかと思っています。私は両親を大好きどころか愛しているとわかりこれからもっと両親を大切にしていきたいと思っています。

フラクタル心理学を学び、先生がたから心に刺さる数々のアドバイスをいただき、毎回、励まされてここまで歩みを進めることができました。心から感謝申し上げると共に、教えていただいたことを活かして、この先も、さらに豊かな人生にしていきたいと思っています。

2025年1月発行TAWプレスに掲載
文:(株) Mamu&Co. 藤田理香子