娘が中学受験で志望校に受かり私も新たな人生のスタート地点に立って

母への思いを変えてチャイルド*を躾けると、娘は志望校に受かり、自分も社会に出て働きたいと思うようになったという三浦早苗さんからお聞きしたお話です。

三浦早苗さん
大阪府在住

母に対して怒っている自分に気づく

――学んだきっかけと最初の気づきをお聞かせください

二人の子供の子育てをしながら自宅で心理セラピストをしていました。YouTubeでフラクタル心理学の「モンキートレーナーたまこ」の動画に出会い、「チャイルドを躾ける」と教えていることに興味を持ちました。その頃、小学4年生の娘が中学受験をすることになり、娘のサポートもあって、心理セラピストの仕事を辞めて時間の余裕もでき、2021年夏に入門講座を受講しました。

初級の誘導瞑想ではイメージの中で、赤ちゃんの私が夜泣きをしている場面が出てきました。「私のことをずっと見ててよ。私の側から離れないで」と母に対して思っているようでした。以前、母から、私を妊娠中に車に乗っていて、後ろから追突されたけれど大事には至らず、私のことを生命力が強い子だと思ったという話を聞きました。その話を講師にすると、「追突は、もっと自分のことを見ろ、と母の気を引こうとしているということで、それは危険なことです」と言われました。

講座のたびに「三浦さんって怒ってますよね。ふてくされているように見えます」と講師から言われましたが、私はあまり表に感情を出さず、人からも冷めてると言われていたので、なぜそう見えるのかわからず、「怒ってませんけれど……」と答えていました。

誘導瞑想では何度も母のことが出てきました。私のことを置いて母が楽しい思いをするのも嫌で、「もっと私に意識を向けてよ」「私を気遣ってよ」と私は腹を立てていたのです。深層意識のインナーチャイルド*がとても怒っていることに気づきました。講師から「お母さんの時間はあなたのものじゃないのよ。自分の時間を自分でもっと楽しみなさい。自分を磨く時間に使いなさい」と教えられて、繰り返し自分に言い聞かせ、心の中で母に対して何度も謝りました。

母にして欲しかったことを子供にしていた

子育てでは、子供が困らないように、快適なようにと気を配ってきたのですが、家族関係コースとMBIP(マスターブレインインストールプログラム)を受講すると、「子供に手を掛け過ぎて、過保護にしていますね」と講師から指摘されました。何でも母親がするのが当たり前と思っていましたが、私が母にしてもらいたかったことを、子供にしていたのだとわかりました。

家族関係コースでは、自分を褒めるワークをしましたが、私は自分を褒めることができませんでした。「母はやってくれなかった」「もっと母にして欲しかった」という思いがあるために、私が子供たちにしていることは当たり前に思えて褒められなかったのです。とにかく褒めるように講師から言われて、努めて自分のことを褒めるようにすると、日常生活で母にしてもらったことが思い出されて、母に対して、本当にありがたかったと思えるようになりました。

――お子さんたちに変化はありましたか?また、受験に向けて何かされたことはありますか?

中一の息子は苦手だったプリントの整理をするようになり、学校の行事にも積極的に参加するようになりました。娘は小五で塾の成績が一挙に上がり、最上位のクラスに入ることができました。

また、これまで塾の先生を信頼しきれていませんでしたが、講座で「親の言うことを聞け」と学んだので、塾では先生が親にあたりますから、先生の言うことを聞こうと決めました。各教科の先生に娘の受験のことを相談に行くと、先生方はプロとして、各校の受験の傾向や校風など、私の調べた内容とは比べ物にならないくらい情報も豊富でしたし、何十年もの間、多くの生徒を見てこられたので、娘に対するアドバイスも的確で、とても愛情深く娘のことを見てくださっていると感じました。それを娘に言うと、やる気が出たのか、自分から先生に質問するようになりました。

大人度が少ないとわかって

――その他に大きな気づきや何かされたことはありますか?

娘が小六で、翌年に受験を控えていた頃のことです。塾の模試でちょっとした計算ミスで成績を落とした時に、塾の先生から連絡があり、「普段の成績は良いので、今のクラスにいてもいいのですが、しんどいようならクラスを下げてもいいですよ」と言われました。言われたのは娘のことなのに私自身が「邪魔者にされた」ように感じたのです。

その年の11月に一色真宇先生の個人カウンセリングでその話をすると、「子供が大きくなっていくなかで、自分の居場所がどうなるのか気になっていますね。自分が成長していないと社会から取り残されるとか、このままだと置いていかれるという危機感があり、それで邪魔者にされたと感じたのです。自分自身の未来を想像できないのは、大人度が少ないからなのです」と教えられました。

娘の受験が終わった後の自分の人生に不安を感じていたのだとわかりました。一色先生から「大人の量を増やさないとチャイルドを躾けられません」と言われ、「絶対に大人になるぞ、社会の役に立つ仕事をするぞ」というアファメーション*を教えていただきました。

それから、「イメージの中で100人の兵士を並ばせて、『私はこれから社会に貢献する仕事をするぞ』と言って、自分の指示に従うように兵士に命令しなさい」と言われました。言葉にしてみると、私の言い方は全く力強さに欠けていたようで、「そんな命令の仕方では兵士は動きませんよ」と言われました。このときの録音を後から繰り返し聞いて、アファメーションを続けました。

娘が志望校に受かり私も社会に出て働く意欲が湧いてきて

入試直前になると親も受験生も不安が募って、確実に受かるために志望校を下げる傾向があるのですが、私も娘も不安になることなく、そのまま志望校を変えずに受験に臨み、娘は念願の志望校に合格しました。

塾には車で送り迎えをしていたので、入学から1ヵ月くらいは電車通学に私も付き添うつもりでいましたが、初日に「自分で行ける」と娘に断られ、同じ中学に受かった友だちと一緒に通うようになりました。

1週間後には、一人で早めに通学して、自習室で自習をするようになり、お弁当も「食堂があるからいらない」と言われました。新しい友だちもできて学校生活を楽しんでいるようです。「娘は娘なのだな」「娘の成長を妨げずにすんでよかった」と安堵しました。

母に世話して欲しい思いや、先をイメージできない不安感から、娘にあれこれと世話をやき、過保護にしてきましたが、それを必要とする娘などどこにもいなかったのです。

講師からPTAの役員など積極的にやるといいと言われて、役員をするのは面倒に感じていましたが、これも未来からの声と受けとって、自分から立候補して役員になりました。

美容・健康コースの「人生はまだこれからで150歳まで生きられるのだから、やりたいことをやりなさい」という瞑想をしていると、まだこれからだと思えてワクワクしてきます。チャイルドを躾けて大人度を上げるアファメーションをしてきたからか、子育ても一段落したので、今度は社会に出て働きたいと思うようになりました。「360度自分」というフラクタル心理学の考えを、自分の狭い世界だけで理解していましたが、会社で働くようになれば、日々接する人も増えます。多くの人のなかでこの考えを実践してみたいと思っています。

合格のお祝いで行った家族旅行

*チャイルド(インナーチャイルド):深層意識のなかの成長しきれていない未熟な一部
*アファメーション:自分への肯定的な宣言

2024年7月発行TAWプレスに掲載
文:(株) Mamu&Co. 藤田理香子