一色真宇がお答えする質問回答コーナー、第七回目は前回の続きで、聡美さんの不倫癖の直し方です。
お母さんは誰のものでもない

前回、不倫する原因として姉妹関係が影響していると聞きましたが、子供の頃の思いって、今からでも直せるものなんですか?

直せますよ。前回お話ししたのは、お姉さんにお母さんを取られていると感じた、という体験ですよね。でもね、そもそも、お母さんはあなたのものではないんですよ。だから、取られるはずもないんです。

え? 私のものではない?

そう。もちろん、お姉さんのものでもありません。お母さんはそもそも誰のものでもない、自由な存在なんです。ですから、誰が取った、取られたという考えが間違いですよね。

ええ~?! なんかビックリしてます。思いもかけないことを言われたような…。

そのビックリした自分が、幼児期の自分そのものなんですよ。でも、心のどこかでは、「そりゃ、そうよね」と思っている自分もいませんか?

はい、いますね。確かに。

それが、大人になった自分です。
姉に勝つことが人生の目的になる

自分だって、結婚したからといって、夫のものになったとは思わないし、子供を持ったからといって、自分が子供のものになるとは思わないですよね?

そりゃそうですね。そう聞くと、お母さんを自分のものと思っている自分がおかしいって思えます。

そういうことです。それが正常な感覚です。でも、乳幼児期は、お母さんを自分のものだと思い込んだので、お姉さんに取られたと思い、それでお姉さんを敵対視してしまい、お姉さんに勝つことが人生の目的みたいになっちゃっているんですね。

でも、母も姉も、もうそばにいないんですけど。

人ではなくて、脳の型なんですよ。前回お話ししたように、脳の中にお母さん用とお姉さん用の椅子があるので、お母さんの椅子に彼がはまり、お姉さんの椅子に彼の妻がはまります。そしたら、あなたが座る椅子が決まります。つまり、役割や目的が決まるんです。こうなっているから、不倫している間は生きている感じがするんですね。
乳幼児の自分に新しい生き方を教える

わぁ…。ほんとですね。不倫しているときは確かに活力があるんです。すごくよくわかりました。で、どうやったら直りますか?

カウンセリングでは、次のようにします。乳幼児期の自分がお母さんに世話をされているというシーンを思い浮かべます。それがとても心地よく、お母さんは自分の専属の召使に見えたんです。自分が何か食べていると、お母さんが嬉しそうに見つめていたり、自分が遊んでいると、嬉しそうに相手をしてくれる。それが幸せだって思っているんですね。

うーん。それって、今彼にしてもらっていて、私が幸せに感じることですね。

でしょ? そのときあなたは、あの乳幼児と同じなんですよ。

はぁ…。私は自分を大人だと思っていたけど、全然違ってたんですね…。

彼に対してはそうですね。で、その乳幼児の自分に、「お母さんは自分のもの、という考えは間違いだ」と教えます。これがカウンセリングの場でする「修正」というものなんです。

うわ~。その言葉を聞いただけで、猛烈に怒り出しそうです。

そうですよね。でも、そういう感情を感じるのはとても良いことなんです。それを感じているときには、完全にあのときの乳幼児の自分になっているからです。その古い自分に、新しい考えを教える必要があるんです。

その新しい考えとはなんですか?

乳幼児は、まだ一人では何もできないですよね。だから、お母さんを失うと生きていけないと思ったんです。でも、本当はもう身体は大人で、自由に動けるし、自分でお金も稼げます。誰かと楽しく遊びたければ遊べばいいし、誰かと家庭を築きたければ築けばいい。お母さんにしがみついていたら、それはできないんだと教えればいいんです。

なるほど。なんか、今の言葉を聞いただけで、「アレ?」という気持ちがするほど、モヤが晴れました。「なんだ、自由なんだ」ってかんじです。

いいですね。これはぜひ、カウンセリングを受けて、じっくりやってくださいね。感情をしっかり出して、深く理解するほど、早くそこから抜け出せますよ。

わかりました。やってみます! 本当に結婚したいって思えるような気がしてきました!

よかったです! ぜひ素晴らしい結婚をしてくださいね!
2025年7月発行TAWプレスに掲載
文:一色真宇
一色真宇オフィシャルブログ