自分の深層意識を変えると、モラハラ彼氏と別れ、新たな出会いがあり、結婚して家も新築できました!

自分の深層意識を変えると、付き合う相手が変わり、結婚して家を新築し、カウンセリングの仕事も順調だという長尾はる子さんからお聞きしたお話です。

      会社員
               長尾はる子さん
千葉県在住

相手は自分と知って自分の深層意識を変える

――学んだきっかけと最初の気づきをお聞かせください

今から10年前のことです。当時お付き合いしていた男性は、モラルハラスメント、いわゆるモラハラと呼ばれる、言葉や態度によって相手に精神的苦痛を与える行為を繰り返す人でした。自分の思い通りにならないと、突然不機嫌になり、デート中にもかかわらず私を無視したり、駅構内で大声で怒鳴ったりしました。誕生日を祝っている最中に、私を店に置き去りにして一人で帰ってしまったり、彼の家に遊びに行ったのに、玄関から私の荷物を放り出して、私自身も外に押し出されてドアを閉められたこともありました。そこまでされても、私には自分から別れる決断ができなかったのです。そんな折、ネットでフラクタル心理学のことを知り、モラハラの原因を知りたいと思って講座を学び始めました。

講座で最初に学んだのが、「相手は自分」という考え方でした。講師から「行動には出さなくても、内面で思ってることも同じです」と言われて、私にも「すぐに人にイラつく性質がある」と気づきました。さらに、以前付き合っていた彼とのデート中に、私自身も不機嫌になって、相手を置き去りにして帰ったことを思い出しました。それはまさに、私がモラハラの彼から受けた仕打ちと同じで、私がしたことがそっくりそのまま返されていたのです。このままでは相手が誰であっても、「やるか・やられるか」の負のループから永遠に抜け出せないとわかり、この連鎖をどこかで断ち切らなければならないと思いました。

そして、このようなことが起こるのは、私の深層意識の中のチャイルド*が「自分は偉い」「人を振り回しても構わない」と勘違いしていることが問題だとわかりました。付き合う相手だけでなく、母に対しても遠慮なく感情をぶつけ、気に入らないと無視するなどわがまま放題だったことにも気づきました。そこで、「わがままをやめろ」とパンチ法*でチャイルドに言い聞かせると共に、講師にフォローしてもらいながら、初めて自分で修正文を作って、チャイルドに言い聞かせるように読みました。

「あなたは人を自分の感情で攻撃していいと思っているんだね。それを続けていると、人間関係が壊れて、いずれ一人ぼっちになってしまうよ。だから、これからは相手の気持ちを考えてみるといいよ。そしたら大人として気持ちがいいし、いい関係を作っていけるんだよ。その方が自分を好きになれるんだよ」

修正文を読むうちに、これまでの人生の中で、ひどい態度で人を傷つけたり、大切な人間関係を自ら壊したりする自分を、心の奥底でずっと嫌っていたのだと気づいて、最後の一文が胸に響きました。

その後、中級講座の「家のチェック」というワークで、「家の状態は心を表す」と学び、心の中を総入れ替えするような気持ちで家の片付けと掃除に取り組みました。断捨離でモノを捨て、排水溝や換気扇までくまなくきれいに掃除しました。

さらに、思考回路を変えるワークとして、考えが同じところをぐるぐる巡ってしまわないように、通勤の行き帰りでは同じ道を通らず、あえて違う道を通るようにしました。

モラハラの彼に魅力を感じなくなり、本気で結婚を考えるように

――男性との付き合い方は変わりましたか?

モラハラの彼は、以前に比べるとあまり不機嫌になることもなく、私のためにお弁当を作って持ってきてくれるなど、ずいぶん穏やかになったように思えました。

ところが、クリスマスを祝おうと入ったお店で口論になり、またしても彼は私を置き去りにして帰ってしまったのです。いつもの私なら、すぐに彼を追いかけて「私が悪かった、ごめんね」と謝っていましたが、その日は追いかけませんでした。それ以降、彼から連絡がくることはありませんでした。

その出来事から半年後のこと、突然、彼がスーツ姿で私の前に現れたのです。「もう一回やり直したい」と言われましたが、「もう、お付き合いしてる人がいるから」と断りました。彼を前にしても心は静かなままで、彼に全く魅力を感じていない自分がいました。

――その後、何か考え方は変わりましたか?

私の中に、結婚したいという気持ちがあることは、自分でもわかっていましたが、なぜ結婚に結びつくような相手と出会えないのかと考えると、「好きな人と一緒にいたい」「寄りかかっていたい」と思っていただけで、どんな結婚がしたいのか、結婚後の暮らしについて、何も具体的に考えていなかったとわかりました。

その後、講座で「少し先の未来の自分を想像してみる」というワークをしました。人生を共に歩むパートナーと出会って結婚するイメージをすると、互いに支え合いながら豊かさを育んだり、力を合わせて何かを生み出すのは楽しいことだと自然と思えるようになり、ようやく私の中に「結婚への覚悟」ができたのです。

「結婚したい」と思ったのに、ただ待っているだけでは何も変わらないと思い、婚活パーティに参加したり、マッチングアプリに登録したりと、積極的に動くようになり、出会った相手には「結婚の意思があるか」を最初に聞くようにもしました。

本気で結婚を意識し始めると、これまでとは違う観点で相手を見るようにもなりました。モラハラの彼は30歳を過ぎてもフリーターで、副業でホストをしていましたが、その後にお付き合いしたのは、国立大学の出身者であったり、人生に前向きな姿勢を持つかたでした。

私の婚活は、順調に進んでいるように思えました。ところが、私の中にはまだ大きな火種がくすぶっていたのです。「投影していた対象がいなくなると、その資質が自分の中に戻ってくる」と講座で聞きましたが、まさにその通りでした。その後にお付き合いしたかたたちは、いずれも優しく穏やかなタイプでしたので、今度は、私のほうが相手に干渉したり、束縛したりと、知らず知らずのうちに私自身のモラハラ的な資質が表に出始めたのです。それに気づいて、「ダメ、ダメ!」と自分を制して、前に書いた修正文を何度も読み返しました。

幼少期からの思いを変える 

――モラハラはどこに起因していたのでしょう?

個人カウンセリングの誘導瞑想で、目をつぶるとイメージの中に、私と2番目の兄が父の背中に乗って、お馬さんごっこで遊んでいるシーンが出てきました。次のシーンで兄の手が私に当たり、「痛い、痛い」と私は泣き出しました。泣くほどのことでもなかったのに、兄のことを父に怒ってもらいたくて、私はわざと泣いたのです。

私は7つ上と3つ上に兄がいる末っ子の女の子として育ちました。自分ではあまり自覚がありませんが、どこかで「可愛がられるのが当たり前」「まわりが自分の言うことを聞いてくれて当たり前」と思っていたのでしょう。力では敵わないとわかっている分、ずる賢く立ち回り、目上の人をうまく動かそうとしたり、自分の都合のいいように状況を操ろうとしてきたのです。私がわがままを通してきた分、割を食っていたのは兄たちでした。

誘導瞑想中に、カウンセラーさんから「お兄ちゃんたちに謝りなさい」と諭されましたが、私のチャイルドは「絶対に嫌だ!」とはねつけました。カウンセラーさんからは、そのやり方を止めるように、自分でチャイルドによく言い聞かせなさいとアドバイスされました。

さすがに、今のままの私では、男性とのお付き合いも上手くいくはずがないとわかりました。そこで、イメージの中で、まず共感してチャイルドを安心させてから、「でも、これをやってると本当に人生がつまらなくなるよ」と言い聞かせるようにし、チャイルドが言うことを聞かないようなら厳しく叱り飛ばしました。これを繰り返すうちに、ようやく、「はい、わかりました」とチャイルドは言うことを聞くようになったのです。

夫の収入も倍増して結婚も決まり、マイホームも建てることになって

――その後、出会いはありましたか? 

知人から紹介されて、今の夫と知り合いました。彼と一緒に住むようになり、それからまた数年が経ちました。個人カウンセリングを受けると、結婚に至っていないことを指摘され、結婚の話が出ないのは、彼の転職がうまくいっていないからと答えました。すると、日常の家事について聞かれ、彼は優しくて、料理や掃除も手伝ってくれると答えると、「それは相手のエネルギーを奪っていることになります。彼のエネルギーを仕事に向かわせてあげてね」と言われました。

家事をしていては、仕事に向かうエネルギーが弱まってしまう。彼に稼いでほしいなら、私が家事をするようにアドバイスされたのです。そこで、「私が引き受けるから、仕事に集中して」と彼に告げて、家事はすべて私がしました。

それから、彼と一緒に暮らしていた家は、生前に彼の祖父が住んでいた古い一軒家でしたが、私には「きれいな一軒家に住みたい」という子供の頃からの夢がありました。「思考をためると現実化する」と講座で聞いていたので、モデルハウスを見て回ったりするうちに、しばらくすると、近所に新築の家が建ち始めたので、夢が近づいてきているのではないかと思いました。

ちょうど、その一軒家を相続するか売却するかで悩んでいた彼が、「自分もきれいな一軒家に住みたい」と言いだして、家を取り壊して新しくマイホームを建てることになりました。その頃には、私は片付けが得意になっていたので、先導して片付けを行い、家に残っていたガラクタを一掃しました。

その後、彼は希望の会社に転職して年収が倍増し、さらに数ヵ月後には、彼との結婚が決まったのです。

カウンセラー活動の売上げも初期の10倍に

平日の昼間は会社員として在宅ワークをしながら、夜間や休日に恋愛カウンセラーとして活動しています。カウンセラーを始めた当初に比べ、売上げは10倍くらいになりました。これからさらに売上げを伸ばして、恋愛カウンセラー一本でやっていきたいと思っています。

自分が乗り越えてきたからこそ、同じような悩みを持つ人に、伝えられることがあると思っています。相手との関係性がとても良くなったとか、結婚したというご報告を受けた時には、自分のことのように嬉しくなります。

今は夢だった新居に暮らしながら、夫と共にとても充実した日々を送っています。いずれ二人で会社を立ち上げたいと考えていますが、実現できるように、お互いにもっと実力をつけていこうと話しています。

もし、フラクタル心理学に出会っていなければ、結婚できなかったか、結婚できたとしても相手とうまくいかずに悩んでいたことでしょう。自分が変わることで相手の言動が変わることや、出会う相手そのものが変わるということを、私自身の体験を通して、恋愛に悩める多くのかたに伝えていきたいと思っています。

*チャイルド(インナーチャイルド):潜在意識の中の成長しきれていない未熟な一部
*パンチ法:シャドーボクシングのように言葉を発しながらパンチをする思考の修正法

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2025年7月発行TAWプレスに掲載
文:(株) Mamu&Co. 藤田理香子