「私が偉い」をやめると、職場の人や家族との関係が大きく改善しました

自分を変えると職場の人や家族が変わり、目標を持ったことで、家族も自分のやるべきことをするようになったという石倉伊佐子さんからお聞きしたお話です。

会社でも昇格を目指し、ウォーキングトレーナーとしても活動し始めました

会社員 ウォーキングトレーナー
石倉伊佐子さん
東京都在住

職場の新人の態度や上司の見方も変化して 

私は会社員としてフルタイムで働き、主人と2人の子どもを育てて、実母と同居しています。友人からは「実の母親と暮らせるなんていいわね」と羨ましがられますが、内情は違いました。主人と母の板挟みになり、両方に気を遣いながら、一人我慢の日々でした。家族関係を変えたいと思い、1年前からフラクタル心理学を受講し始めました。

初級講座のワークでは、気になる出来事として、職場の新人男性の話をしました。私の言うことを最後まで聞かずに、「ああ、なるほどそういうことですか」と、上から目線で返事をしておいて、しばらくすると「これってどうやるんですか?」と聞いてくるので、本当に腹が立つと話しました。

講師は「それは、あなたのチャイルド*が、『自分が一番偉い』と思っていて、人の話を真面目に聞かずに、バカにしながら聞いているので、ちっとも身につかないということです」と言われました。私の深層意識が彼に投影されているということのようで、納得はいきませんでしたが、いただいた修正文を、深層意識に言い聞かせることにしました。

「あなたはいつも自分ばかりが偉いと思って、人の話を聞けないね。人の話をちゃんと聞こうね」と唱え続けて、1ヵ月半ほどすると、例の新人は違う課に異動になり、なんとそこでは謙虚な人に変わっていたのです。

これに驚き、上司についても聞きました。「私の上司は自分のやりたいことばかりして、とても上司とは思えないんです」と言うと、講師から「上司はあなたよりも広い視野を持っています。それをあなたがわからないだけです」と諭されました。「いつまでも『下が偉い』と思っていたら、自分が偉くなれませんよ。自分が偉くなったら馬鹿にされて、話を聞いてもらえない状況になってもいいんですか?」と聞かれました。

子どもから馬鹿にされたら困ると思い、ヒエラルキーを整えるために、深層意識に向かって「上を立てる」修正をしました。すると、うだつの上がらないおじさんと思っていた上司は海外勤務経験者で、知識量も多く、緻密で、私のミスをカバーしてくれていたと知りました。見方が変わり、上司との関係もとても良いものになったのです。

未来計画手帳の勉強会で目標を決める 

初級講座を終えてから、未来計画手帳の勉強会に参加しました。参加者の皆さんはみな目標を決めて、前向きな行動をされるなかで、私は目標が決められずにいました。そこで、未来が描けないのは、子どもの手が離れないことを言い訳にしているからだと気づきました。


子どもへの執着を手放すと、子どもも私に執着しなくなり、家族4人で一緒に寝るのをやめて、子ども部屋で寝るようになりました。小学4年生の娘はチアダンスにも一人で通い始めました。

気持ちが未来に向き始めると、やりたい目標が出てきて、それを実行しました。以前取得したウォーキングインストラクターの資格を活かして、月2回のウォーキングレッスンのサークル活動を始め、心をスッキリさせるために断捨離をし、ダイエットコースを受講して、10キロの減量にも成功しました。

運動習慣のなかった主人も、いつの間にか毎朝のジム通いが習慣になって、洋服を買い替えるほど筋肉がついて身体が締まりました。スポーツをやりたがらなかった小学2年生の息子も、主人の勧めでスクールに入ってラグビーを始めたのです。


主人は頼りがいのある尊敬できる人に

主人とは、よく口喧嘩になることがありました。「お母さんと俺とどっちが大事なんだ」と突っかかってくる1つ年下の主人を、「あなたは黙ってなさいよ」と心のなかで押さえつけていました。

勉強会でそのことを話すと、「とにかく『主人のほうが正しい』と毎日唱えて、ご主人の良いところを100個書いて、100日間毎日読みなさい」と言われました。

ちょうど100日が経ったころ、そういえば主人と喧嘩をしていないと気づきました。主人は今までのように体調不良で会社を休むこともなくなり、子どもたちの教育に関しても積極的に考えてくれるようになり、私任せだったお金のことも自分から勉強を始めました。頼りにならない主人が、尊敬できる人に変わったのです。

母との関係も良くなり、昇格を目指す

完全に私の独り相撲でした。私の思考が現実化しているだけだったのです。「私のほうが正しい」「私のほうが偉い」と思考したので、「頼りにならない主人」を現実化していました。母とのことも同じでした。「私のほうが偉い」と思っていたので、「やってもらったら負けだ」とまで思い込み、一人で抱え込んでは、「母から干渉される。嫌味を言われる」と、さも自分が被害者のように思ってきたのです。

「私のほうが偉い」をやめて、「人の話を聞き」「上を立てる」修正をしていくと、母に「お願いします」と素直に言えるようになり、「いいわよ」と、母からも気持ちよく返ってくるようになりました。こんなに楽に暮らせるなんて! なんという勘違いをしていたのでしょう。最近、母はとても元気になり、地域の奉仕活動にも積極的に参加するようになりました。

職場では、目標を持たずに働いてきたことを悔いて、仕事の権限を広げるための昇格プログラムへ参加することにしました。プログラムは3年間で、年度ごとに目標を立てて昇格を目指します。勤続20年で、初めて仕事のおもしろさを知ったところです。

別人になったと言われて

講師や一緒に受講した仲間からは、「ちびまる子ちゃんのような、額に張り付いた不幸アピールのタテ線がなくなったね」「始めたときからは別人ね」と言われます。自分史上最大10キロ痩せて、心身ともに40代でこんなに変われたことにびっくりしています。私にはまだまだ伸びしろがあると思っています。上級講座や美容・健康コースも受けて、自分を磨く努力を続けていきたいと思います。

*チャイルド(インナーチャイルド):深層意識のなかの成長しきれていない未熟な一部

2020年5月発行TAWプレスに掲載
文:(株) Mamu&Co. 藤田理香子