「自由奔放」へ思考をシフトして起業!

人生の転換点で新しい選択をしたことで、結果的に業務が効率化し、国の法律や会社の法令も変わり、副業の起業に結びついたという佐藤千恵子さんからお聞きしたお話です。

国の法律や会社の法令も、私をバックアップしてくれる方向に変わりました

ITエキスパート
会社経営
フラクタル心理カウンセラー
佐藤千恵子さん
東京都在住

同僚の態度に困りカウンセリングを受ける

当時、職場に私のやることなすことひっくり返そうとする同僚がいて、3年たっても、状況が変わらないので困り果てていました。

その同僚は、法令違反となり得る顧客契約外のことをしようとして、周囲を擾乱させたかと思うと、問題になる一歩手前でやめるのが常でした。いっそ法令違反をしてくれたなら、会社にも相談できるのですが、そうならないことから、もしかしたら、私をひっくり返すこと自体が彼の目的かもしれないと思うようになりました。

問題解決の手がかりを探るなかで行きついたのが、フラクタル心理学協会のホームページでした。一色真宇先生のカウンセリングルームの動画を見て、その鮮やかな問題分析と解決手法に驚き、ぜひご相談したいと思いました。予めフラクタル心理学の知識を得るために、『自分革命』(一色真宇著 角川フォレスタ刊)を読み、マスターコース入門講座を受講しました。

そして、2015年9月に念願の一色先生のカウンセリングを受けて、問題の同僚の話をすると、まったく思ってもみないことを告げられたのです。

「あなたの中の“自由奔放”が死にかけています。あなたはもともと自由奔放な子でしたが、それではダメだと思ってルールや秩序を重んじてきました。今はこれまで正しいと思ってきたことを、全部ひっくり返すときです。それを彼が見せてくれています」

そう言われて雷に打たれたような衝撃を覚えました。

思考パターンを変えるとき

フラクタル心理学では、相手は自分の深層意識の投影と考えるので、彼は私の深層意識の投影であり、私をひっくり返そうとしているのは、ほかでもない私自身の深層意識になるといいます。 

驚きから言葉も出せずにいると、「彼があなたの言うことをひっくり返すのはなぜだと思いますか?」と質問されました。「私が正しいからだと思います」と反射的に答えました。

これまで、ITエンジニアとして会社の方針に従い業績を上げてきました。まるでトヨタの生産方式のように整理整頓されたムリ・ムラ・ムダのない世界に生きてきたのです。その美しく合理的な世界は、彼の登場で、ドタバタしたシュールでカオスな世界に変わりました。

彼が私の深層意識だとするならば、正しいことをしているのに、なぜ、ひっくり返そうとするのでしょう?

フラクタル心理学によると、プラスに働いてきた思考パターンも、やりすぎるとマイナス面が出てくるので、思考パターンを選択し直すことが必要だというのです。

それは、山登りのルートに似ています。ある思考パターンに従って山を登り始め、折り返し点まで来たら、また別の思考パターンを選択して、今度は反対方向に登ります。頂上の目標を目指してジグザグに登っていくのです。そして、思考の折り返し点では、その都度必ずサインがくるのだといいます。

私の場合は、自由奔放な彼に腹を立てたことが方向転換のサインでした。私を成長させたルールや秩序を重んじる思考はすでにやりすぎていて、行動力や挑戦する意欲を欠いた状態だったのです。

「あんな無法者になるのはイヤだと思うかもしれませんが、彼を崇めて、真似しなさい」と一色先生からアドバイスされて、毎日読むようにと深層意識の修正文を渡されました。

修正文を読み、日常の行動パターンを変える

修正文は3部構成で秀逸でした。

「今までルールを守ってきたのは正しかったのよ。だから、ここまで来られたね。でもこれからは別のものを見てみたいと思わない? 今の私ならあなたにそれを見せてあげられるわよ。そのために今までダメと思って箱にしまってきた自由奔放を、これからは宝物だと思いなさい」

思えばルールを守ってきたおかげで、高収入、高スキル、やりがいのある仕事、優秀な仲間、社会的信用や誇らしい自分を手に入れることができたのです。

修正文は、そんな自分を「良くやった!」と褒めた上で、次の段階に進むために、今度は「自由を取り戻そう」と呼びかける内容でした。表層意識と深層意識の足並みが揃うと現実化が早いと学びましたが、このような構成で深層意識に働きかけることで、両方の意識が全会一致でこの考えを受け入れるのだと思います。「私は変わる!」と決意しました。

その後3ヵ月くらい毎晩修正文を唱えつつ、日常の行動パターンを、常識にとらわれない“自由奔放”に変えていきました。

1日無計画で過ごす日をつくってみたり、寄り道したり、明日着る服を前日に決めないで、当日に何を着ようかと迷ったり、突然会社を休んでみたり、コンビニのレジ横の一口羊羹を衝動買いしたりしました。小さいことからでもやってみると、不思議と彼の自由奔放な行動が気にならなくなってきたのです。

働き方改革実行計画が発表され副業兼業が解禁に

年明けから1年間、属人的業務の廃止や平準化などの業務改革プロジェクトを遂行することになり、その結果、仕事量がチーム全体で30%減少して、残業がほぼなくなりました。途中、組織の大きな構成変更や、執務エリアの異動もあり、自由奔放な彼とは別の部署になりました。

「いつか起業するなら丸の内!」という妄想が叶って、2017年9月に、東京駅を眼下に見下ろす丸の内の高層ビルのシェアオフィスで開業しました。

翌2017年3月に政府から働き方改革実行計画が発表され、それを受けて会社から副業兼業全面解禁の通達が出ました。フラクタル心理学のカウンセラー養成講座を修了していましたので、その年の9月には会社在籍のままカウンセラーとして起業して法人を設立しました。

18年の4月には働き方改革関連法が正式に可決成立しています。起業には自由で柔軟な発想や道なき道を進むチャレンジ精神が必要だったのでしょう。思考の修正によって自由奔放を取り戻すと、業務改革によって仕事の効率化も進み、法制度も変わり、いつかしたいと思っていた起業を実現することができたのです。

自由奔放から新たな選択へ

自由奔放の思考を実践して4年がたち、ある日、「自由奔放でいいですね」と人から言われて、私は押しも押されもしない自由奔放になったのだと気づきました。そして、次の折り返し点に来たことを自覚したのです。

ドイツの哲学者ヘーゲルは、2つのものを昇華して、より高い次元に成長することをアウフヘーベンという言葉で表しています。私は、ルールや秩序と、自由奔放を融合したこのアウフヘーベンを目指すことにしました。


昨年は、デンマークのロラン島に教育やエネルギー政策、エコロジーに関する取り組みを視察に行きました。デンマークは国連のSDGs(持続可能な開発目標)で目標達成度ランキング1位、環境保護と生産性のアウフヘーベンを実現している先進的な国でした。そこで、私の会社が目指すべき方向性と、その実際のモデルを目にすることができました。

エネルギー自給率800%、なおかつ100%グリーンエネルギーを実現しているロラン島の風力発電機。写真はコペンハーゲン市に電力を供給している風車。
この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は sato2-1024x576.jpg です
世界SDGs達成度ランキング第1位、世界幸福度ランキング第2位のデンマークの首都コペンハーゲンのニューハウン地区。観光客でにぎわっています。

これからさらに1段階上のルールや秩序、自由奔放の思考を選択して、新しい発想による調和と秩序の美しい世界を作り上げていきたいと思っています。


また、勤め先でも、東京にクラウドサービスのデータセンターができたことで、事業自体がアップグレードし、サイバー空間上に、大学等の教育機関を創設しようという構想も進んでいます。


自由奔放な同僚の登場が、思考を方向転換させるサインと知らず、そのまま進んでいたとしたら、起業することも、環境保護や教育事業に新しい可能性を見出すこともなく、きっと行き詰まりを感じていたことでしょう。