
目標を決め、周りの意見を聞いて努力すると、ハンドメイド作品の販売で銀座のデパートに出店することができたという福島恵美さんからお聞きしたお話です。
ハンドメイド作家
福島恵美さん
群馬県在住
2016年初めてのカウンセリングとその後の経緯
夫と子供2人の4人暮らしで、自宅でハンドメイドのベビーグッズを作って、ネットショップで販売していました。当時、中学2年の長女が、人が大勢いるという理由で普通教室に行けないと言い出し、私がフラクタル心理学の個人カウンセリングで相談すると、「私の思いが娘に現れている」「不登校になる思考には『好きなことしかしたくない』という思いがあるから、好きなことばかりしたり、物事を後回しにしたりしないように」とアドバイスされました。
さらに、誘導瞑想で幼い頃に父の言うことを聞かずに怒られたことを思い出しました。その思いが娘に投影されて、娘も親や先生の言うことを聞かないのだと知りました。深層意識を修正して、後回しにしていた片づけや掃除を朝一番で済ませるようにすると、長女は中学3年から普通教室に行きはじめました。その後、私が怠けだすとそれが娘に出るのか、通信制高校に行くと言い出したのでカウンセリングを受けたところ、外に働きに出ることを勧められました。
そこで、ハンドメイド作品のイベントなどに出店して販売を始めました。私自身が多くの人と接することへの苦手意識がなくなると、娘も普通高校を志望するようになりました。その後、講師資格を取ってハンドメイドを教えはじめ、製品も今までの3倍ほどの点数を作れるようになると、娘も苦手な科目に取り組み、部活で県大会に出場し、翌年春には、普通高校に一番の成績で合格しました。私と娘が変わると、高校生の息子の成績もどんどん上がって学年3位になり、第一志望の大学に合格することができたのです。
ハンドメイドで独自の作品が生まれブランドをリニューアルする
2020年に個人カウンセリングで誘導瞑想を受けると、自分の中に「ちやほやされたい、特別扱いされたいチャイルド*」がいると知りました。「実力があればそうなるのは当たり前で、それを願うのは悪いことではありません」と講師に言われて心が躍り、「それなら頑張ろう」と思いました。2021年には夢実現チームに1年間参加して、ハンドメイド作品を多くの方に知っていただき、売上げを伸ばしたいという意識が高まりました。
また、その頃、ハンドメイド作家のコミュニティに参加したことで、私の作品は生地の可愛さに頼った平凡なものだと気づき、あえて無地の生地を選んで、フリルやプリーツを立体的に使ったデザイン重視の作品を作りました。コミュニティの主催者から「今までと比べ物にならない」「別物に生まれ変わった」と最高の評価をいただき、2021年に大阪の阪急百貨店で行われるイベントへの出店に推薦されました。このイベントは残念ながらコロナ禍で中止となりました。

翌2022年にはブランド名をイタリア語で「思い出」という意味のRiCORDO(リコルド)に変えて価格帯を上げ、ブランドの強化に取り組みました。2023年にはカウンセラー養成講座を受けて、受講者同士の相互カウンセリングで、チャイルドの修正が進み、仕事への意欲も高まりました。
有名百貨店への出店で傲慢な自分に気づく

2024年には、大阪の阪神百貨店から声を掛けていただき、期間限定ショップに出店しました。メインにした幼児用のリュックは、ネット販売では100パーセント刺繍の名入れ注文だったので、在庫を抱えたくないという思いもあって、名入れの受注販売にしました。いざ蓋を開けてみると、その場で買って持ち帰りたいという要望が多く、結果は散々で、「名入れ無しで販売していたら、もっと売れたと思います」と担当者から言われました。
その後、同年、銀座三越で行われたハンドメイド7ブランドの合同期間限定ショップへの出店に声を掛けていただき、主催者の了解を得て、この時も名入れ受注販売のみにしました。ところが、銀座はインバウンドのお客さまも多く、名入れ受注などもってのほかで、担当者からも「その場で持って帰れたら良かったですね」と言われ、結果も振るいませんでした。

父や夫にこの話をすると、「お前のやり方は殿さま商売だ。同じことで2度失敗している」と諭されました。すぐに個人カウンセリングを受けて誘導瞑想をすると、イメージの中で2歳上の姉が出てきました。私は末子で自分の要求がなんでも通るのは、姉が優しいからだと思っていましたが、要求が通らないと泣いたりわめいたりするので、姉が我慢してくれていたとわかったのです。
そこで初めて、私は、自分が正しいと思うあまり人の話を聞けなくて、同じ失敗を繰り返すのだとわかりました。「何もしないで威張っているのは恥ずかしいことね。売れっ子になりたいなら、人の何倍も努力が必要よ。人から言われたことを自分のものにして、本気で取り組みなさい」という修正文を読み、姉だけでなく、わがままを言っていた両親にも心の中で謝りました。
外注で生産できるようになり銀座のデパートに期間限定ショップで出店
今年の1月に再び夢実現講座を受講しました。これまで「生産を外注したらどうか」とアドバイスされても一向にしないので、抵抗しているチャイルドと向き合ったほうがいいと言われて深層意識を探ると、「売り上げが取られて損する」と思っているとわかりました。そこで「それは勘違いよ。一人では小さなことしかできないけれど、誰かにやってもらえば量も増えるし、大きなことができるから、やってもらった方がいいよね」と自分に言い聞かせると、初めて自分の思い違いに気づいたのです。外注先を探しだすと、車で10分ほどの距離に、技術力があって丁寧な仕事をする方が見つかり、一部を外注できるようになり、心に余裕ができました。
これまで、ベビーがターゲットでしたが、「女児やママも使えるヘアアクセサリーを作ったらどうか」というアドバイスにも従って、新たにヘアアクセサリーもアイテムに加えました。
夢実現講座では、3年~5年後には再び百貨店に出店して、その後、全国の百貨店を飛び回るような人気ブランドになりたいという目標を掲げていましたが、1ヵ月後に銀座三越から声が掛かり、2025年6月の期間限定ショップへの出店が決まりました。これまでの教訓を活かして、名入れは一切なしで、その場で持ち帰る商品のみの販売にしました。
期間中、様子を見に来てくれた講師が、店頭で他ブランドの売れ行きが気になって落ち着かない私を見かねて、「日本一のデパートに立てていることを、きちんと味わった方がいいわよ」と声をかけてくれました。思えば6年前、初めてお会いした時に、「いつかデパートに出店できるといいわね」と励まされましたが、当時の私は、デパートでの販売は利益が減るし、対応も面倒だと考え、そこで多くの人に知ってもらうことの価値を全く理解していなかったのです。6年の歳月を経て、深層意識を変え、経験を積むことで、講師の言葉の意味がやっと腑に落ちました。そして講師のアドバイス通り、この素晴らしい場所に立てた喜びをかみしめた結果、売上は昨年の3倍にも跳ね上がったのです。
長女も長男も社会人として独立し、夫も仕事に誇りを持って意欲的に働いています。私もこれから行列ができるほどの人気作品を生み出し、多くの方に喜びを届けられるブランドへと成長させていきたいと思っています。
*チャイルド(インナーチャイルド):深層意識のなかの成長しきれていない未熟な一部
2025年10月発行TAWプレスに掲載
文:(株) Mamu&Co. 藤田理香子