
父への思いを変え、外で働き始めると、人生の流れが変わったという葉山かおりさんからお聞きしたお話です。
フラクタル心理カウンセラー
葉山かおりさん
神奈川県在住
夫から別れを切り出されて
――学んだきっかけと最初の気づきをお聞かせください
転勤族の夫を持つ私は、知り合いのいない大阪で三人の子供のワンオペ育児に追われて、心身共に疲れ切っていました。コロナ禍での次男出産を機に、夫は職場初の育休を取ってくれましたが、私の心は満たされるどころか「もっと手伝ってほしい」「思い通りに動いてほしい」という不満で溢れていました。
ある時、口論から私が物を投げると、夫は「ふざけるな」とウルトラマンのフィギュアを投げ返してきました。小さな物でも当たるとひどく痛み、「軽く投げただけなのに、こんな仕返しをするなんて」とショックでした。
スピリチュアルに傾倒してお金を使い込んでいたことが夫にバレて、ワークの一環として書いていた、夫への不満を綴ったノートも見られてしまいました。夫から「そんなふうに思っているなら別れよう」と本気で離婚を切り出されたのです。謝ってその場は取り繕ったものの、「これでやっと本音が伝わった」と、どこか救われたような気持ちにもなりました。
またある時、喧嘩の末に、次男を抱いて家を飛び出したことがありました。行く当てもなく、途方に暮れて帰宅すると、目に入ったのは、泣き叫ぶ長男の姿でした。「このままではいけない」そう感じた時に出会ったのが、フラクタル心理学でした。2021年、次男が二歳になった年に、入門から学び始めました。
美容・健康コースを受けた時のことです。私の姉も三人子供がいますが、実家の隣に住み、親の全面的なサポートを受けています。その姉と自分を比較して、「私だけが苦労している」と不満を漏らしました。すると、講師から、「お姉さんに実家の責任を負わせて、あなたは自由にのびのびと心理学まで学べて、いい現実化ですね」と指摘されてハッとしました。講座で「思考が現実化する」と学びましたが、今の環境も自分が作ったのだと気づいたのです。
父への思いが変化して
――特に集中して修正したことはありますか?
私は父のことを「仕事ばかりで怖い人」とずっと思っていました。幼い自分とはエネルギー差がありすぎて「嫌い」と感じたのだと今ならわかりますが、父とろくに会話をした覚えもなく、帰宅すると父の世話で母を取られてしまうことも嫌で、できれば帰ってきて欲しくないとまで思っていました。
中級講座の途中で、一色真宇先生のカウンセリングを受けた時に、「あなたは自分のチャイルドがあまり好きじゃないですね」と指摘を受けました。そして、「何か悪いことをしたみたいだから、両親に懺悔しなさい」と言われました。しかし、イメージのなかで謝っても父の表情は怒ったままで変わりませんでした。
「あなたは、お父さんのことを嫌いなままでいい、と思ってるかもしれないけれど、お父さんはあなたの深層意識2にあたります。自分のなかに自分を嫌いな思いが大量にあることになりますから、それで幸せになれるわけはありません」と諭されました。フラクタル心理学では深層意識には階層があると考え、2番目の階層に父に投影している思いがあるなら、それはそのまま、自分自身に向けられた思いなのだと改めて理解しました。それ以降、半年間ほど毎日、父への謝罪を繰り返しました。
学びを深める中で、次第に「私もカウンセラーになりたい」と思うようになりました。上級講座のワークで父のことを掘り下げた時のことです。エンジニアだった父は、自動車の「脳」ともいえるエンジンの開発に携わってきましたが、私は心理学を通して人の「脳」の回路を書き換える仕事をしようとしています。仕事で結果を世に出した尊敬する父との繋がりを感じると共に、私もカウンセラーとしてやっていけるという自信が生まれました。
外で働くように勧められて
――活動などで変化したことはありますか?
その後、夫の三度目の転勤で横浜へ引っ越した後に受けたカウンセリングで、ふとした私の言葉から自分では気づかなかった夫に対する傲慢な態度について指摘を受けました。「あなたは、働く人や家族を養う人の苦労がわからないから、夫に対しても傲慢な態度を取ってしまうのです。外に出て働きなさい」と言われました。当時は子育てとの両立を考え、在宅で翻訳の仕事をしていました。外で働くことへの抵抗感がありましたが、「人から命令されて、従うということを自分に許可しなさい。それができないとカウンセラーになってもクライアントが言うことを聞きませんよ」と諭されました。
「反抗的な態度のままでは、真の実力は身につきません」と言われて、「つべこべ言わずにやるしかない」と腹をくくり、近くのファーストフード店で働き始めました。職場にはバイトの高校生もいますが、新米の私は誰よりも何もできませんでした。「最初はできなくて当たり前。お客さまに早く正確に提供することに集中してください」とベテランのパートの方にアドバイスされ、言われた通りに最善を尽くそうと思いました。
同じ頃、講師から、PTAの役員をやってはどうですかと勧められました。「PTAの役員として積極的に子供の学校生活に関わることで責任感が養われ、視野が広がり、それが自信にも繋がり、カウンセラーとしても大切な経験になる」と言われました。
昨年4月にPTAの三人の代表職の一人に立候補しました。学校統合という大きな節目でしたがやりきることができ、無事に任期を終えるところです。
この頃、受講していた未来計画手帳講座の講師から、グループワークを担当しないかと声を掛けられました。「あなたはガッツがあるから頑張りなさい」と励まされて、「チャンスが来た」と思い、全力で取り組みました。現在、グループワークは2期目に入り、継続して担当しています。パートナーシップに関するお茶会も複数回開催させていただき、好評をいただくことができました。
子供たちの自立心が育ち、夫からも信頼を得て
――家庭での変化などありましたら教えてください
私が外で働き始めると子供たちは驚くほど自立し、長男は習い事で賞を取るなど結果を出すようになりました。子供たちに家事の手伝いを分担すると、最初は嫌がりましたが、次第に自分も家族の一員だという自覚も出てきたのか、自発的に動くようになり、そのレベルも日に日に上がっていっています。
6年生の長男は私より美味しい唐揚げや餃子を作ります。3年生の長女は、毎日掃除機がけと洗濯物畳みを、5歳の次男も、毎朝カーテンを開け、長女と一緒に洗濯物を畳んでくれます。
昨年末に研究科を受講して「4つの自己完結」を学び、そのうちの「経済的自己完結」については、子供が小さいから先になるとしても、まずは「扶養を抜けたい」と思いました。以前、「良いカウンセラーになるために働く思考を増やしなさい」とアドバイスされたことを思い出し、勤務時間を増やしたいと思い、8時過ぎから17時までフルタイムで週4日以上働きたいと職場に相談すると、勤務先から社会保険料も支払われて働けるようになり、扶養を抜けることができました。右も左もわからなかったところから、現在はスタッフに指示を出すポジションに就かせていただいています。また、月に数回、夜はオンラインで講座やカウンセリングを行っています。働く思考が増えたからか、カウンセリングの予約も入るようになりました。
失われかけていた夫婦の信頼関係も、学びを深めるうちに大きく変わっていきました。夫が責任ある立場で働き、家族を支えてくれていることを、心から尊敬し感謝できるようになりました。夫も私の活動を応援してくれるようになり、現在、新居を設計中ですが、「カウンセリングルームも作ろうか?」と提案してくれました。
経験を積むほどに、講座で学んだことの一つひとつが腑に落ちていきます。自分の人生そのもので体感できることが、フラクタル心理学の魅力だと感じています。これからも良きカウンセラーであるために、歩みを止めることなく、自分を磨き続けていきたいと思います。

■葉山かおりさんのブログ
https://ameblo.jp/kaori-hym/
■インスタグラム
https://www.instagram.com/kaori_hyma
2026年4月発行TAWプレスに掲載
文:(株) Mamu&Co. 藤田理香子