クックパッドで新作賞、総アクセス数550万超えで料理が仕事に!

深層意識を探っていくと「やりたいこと」が見つかり、周囲からも応援されるように

長男の嫁としてすべきことに追われ、「長男の嫁に未来はない」と思っていたのに、深層意識を変えると、料理や食への思い入れに気づき、料理への新しい道を開くことができたという清水さんからお聞きしたお話です。

理容師・家庭料理研究家 清水香瑠さん 東京都

自分の内面への気づき

フラクタル心理学を学んだ親戚から教えられて、初めて体験会に行ったのが4年前のことです。そこで自分の置かれた状況を話すと、講師から「あなたは籠の鳥のようですね」と言われました。その言葉が的を射ていると感じ、今のままではイヤだと強く思い、フラクタル心理学を入門から学び始めました。

当時、夫と中3の息子、小6の娘、義理の両親と同居で、家事をしながら理容師としてパートで働いていました。うちは本家で、盆・正月・春秋の彼岸には50人ほど親戚が集まります。私は長男の嫁としてそのたびごとに、料理を作ってもてなしてきました。その生活を辛いと思いたくないので、義務だと思ってこなしてきました。

講座では「深層意識で思っていることが現実になる」ことや、深層意識を変える方法を学び、実際にワークで自分の深層意識を見ていきました。すると、「私の気持ちは誰もわかってくれない」「やることはやっているのだから、誰からも何も言われたくない」「私は頼らないから、あなたも私に頼らないでね」と、人を寄せつけない思いがあるのを見つけました。

講師からは「頼らないで生きていけるわけがないのに、そう思うとしたら、それは矛盾していますね」と指摘され、「素直に上の人に従いなさい」とアドバイスされました。そこで、義理の両親や夫、職場の社長や店長から言われたことに「はい!」と応えて、積極的に働き始めました。

自分の感情と向き合う

ずっと無視し続けてきた自分の感情と向き合うこともしました。「あなたは一人だと思っているけれど、一人にさせているのは自分だよ。周りはいつもあなたを受け入れているよね。そこに気づいてないのはあなただよ」と深層意識の修正文を録音して家事のときに聞き続けました。夜寝る前には、目をつぶって子ども頃の自分をイメージして、「今まで良く頑張ってきたね」と自分を認めて励ます言葉をかけるようにしました。

そうして感情を意識するようになると、私には「ひとりにされたくない、見捨てられたくない」「人に囲まれていたい、必要とされたい」といった人と繋がりたい思いがあることにも気づきました。

同じ「籠の鳥」でも、私は周りを遮断するために「自ら籠に入った鳥」でした。深層意識を修正して矛盾した思いが薄れると、鍵のかかっていない扉を開けて、鳥籠を出ることができたのです。籠の外に出てみると、今の家族や大勢の親戚は、「人に囲まれていたい」という私の望みが叶ったものだと気づき、愛おしく感じて、自然と会話も弾むようになりました。お盆の集まりでも、「お義母さんと笑顔で話していたけれど、かおちゃんすごく変わったわね。何が起きたの?」と親戚のお嫁さんから驚かれるほどでした。 

この頃、会社から請われて好条件で社員になり、フルタイムで働き始めました。また、子どもに対しても「過保護にすることは子どもの自由を奪うこと」と講座で学び、やってあげることが愛情と思う勘違いが取れると、子どもたちは自立して積極的になっていきました。娘はひとりで本を読むのが好きな子でしたが、図書委員会で自分から立候補して書記になり、明るくなって顔つきまで変わりました。息子はサッカー部の部長や体育祭の応援団長にもなり、二人とも学校を休むことなく皆勤賞を取りました。

クックパッドに料理を投稿する

講座で過去の出来事を振り返ったときに、居酒屋を営む忙しい母の代わりに、幼い頃から弟の分まで食事を作り、中学生になると自分でお弁当も作ってきたことが思い出されました。「母親からネグレクト(育児放棄)されてきた」「私に足りないところがあるのは、母親から愛情のこもった食事を食べさせてもらえなかったから」と恨みの思いを話すと、講師から「ネグレクトされていたら、生きていませんよ」と一蹴されました。食べることが好きな私に自分で料理をさせたのは、成長のための教育であって、「してくれなかった」と母を恨むのは見当違いだとわかったのです。

過去の記憶を辿ると、食べることや料理が絡むシーンが多いことから、「私は料理に携わりたいのではないか?」と思うようになり、3年前にカウンセラー養成講座終了後に受けた潜在意識コントロール法講座で、「料理の仕事をしたい」と口に出しました。「クックパッドに投稿してみたら」と講師や仲間から勧められるままに、毎日作った料理の写真とレシピを投稿し続けたところ、数ヵ月後、私の投稿が1,600点のなかから新作賞に選ばれたのです。私のレシピ全体への総アクセス数は550万件を超えました。

周囲の理解を得て料理の仕事が広がる

私のレシピを見た職場のマネージャーから「その料理熱、もったいないから使ってみない?」と声をかけられて、週1、2回、職場のお弁当も作るようになりました。さらに、副業の了解を得て、休日に個別料理教室やグループ料理教室、出張料理と、料理の仕事も広げていきました。フラクタル心理学の受講生の交流会を講師に企画・提案して開催させていただき、そこで料理を作って、皆さんから貴重な意見もいただきました。1週間分の料理レシピと買い物リストをメールで送るモニターも始め、作った料理の写真と感想を送り返してもらい、今後の料理サービスの参考にしています。

私が食品衛生責任者の資格を取得していることや、母の居酒屋を手伝ってきたこと、職場のお弁当の評判も良いことから、会社の社長からは、食という形で地域に貢献できるビジネスを考えてみたいと相談を受けています。料理でどんなことができるのか模索中です。

私が心理カウンセラー養成講座を終了する頃に、推薦で高校に行った息子は18歳になり、卒業後の進路は理美容学校に行くことに決まりました。私の親に対する気持ちが変わったからか、息子も私と同じ道を行ってくれるようです。

最近、母から「イキイキして輝いているわね」と褒められました。今まで「長男の嫁に未来はない。子育てが終われば介護が待っている。自分の好きなことはできない」と思っていたのが嘘のようです! そう思い込んでいたのは私で、思いを変えれば現実も変わることを、身をもって実感する毎日です。

2020年1月発行TAWプレスに掲載
文:(株) Mamu&Co. 藤田理香子