アートジュエリーで内閣総理大臣賞を受賞!

会長秘書からクリエイターへと人生を乗り換えました 

初めて取り入れた技法でAJCクリエイターズコンテストのアートジュエリー部門で、内閣総理大臣賞を受賞したジュエリーデザイナー岡嶋三千代さんからお聞きしたお話です。

ジュエリーデザイナー  岡嶋三千代さん 神奈川県

30年ぶりに父と会う

建設会社で会長秘書をしていましたが、上司である会長が訳もなく嫌いで、その思いを変えたくてフラクタル心理学の講座を受講し始めました。

家庭は夫と二人暮らしで結婚12年目を迎え、互いに仕事も趣味もあり自立した関係でしたが、夫には勝てないという思いからか、どこかで本音を出せませんでした。それが「自分を癒やすワーク」を講座で行うと、自分を認め、夫の素晴らしいところも素直に認められて、互いに尊重し合い、協力し合える仲に変わったのです。

会長のことは、「父親との関係を修復しないと会長への気持ちは変わらない」と講座で学びました。私は末っ子で、兄姉になんでもやってもらっていました。病弱で母にいつも世話をかけましたが、実は母を独り占め出来てうれしく思っていたので、いつまでも病弱のままでいたのです。父がきらいだったのは、そんな私を特別扱いしてくれなかったからです。私が10代の時に両親が離婚したときも、実は、じゃまな父がいなくなり、母を独占できることをうれしく思っていたのです。フラクタル心理学で母や兄姉への依存的な思いを修正し、父への見方を変えたところ、父のことが「大嫌い」から、今では「大好き」に変わることができたのです。

会長が嫌いだった訳も思い当たりました。秘書として会長から命令されることに耐えらなかったのです。幹部や社員からは「会長秘書は大変だ」と労われてちやほやされるので、そう扱われるのが当然だと思っていたのでした。自分の幼さから会長を悪者にしたことを心底申し訳ないと思いました。それからは、辞職後もたまにいただく会長からのメールや、食事のお誘いにも、自然に対応できるようになったのです。

生きる目的をジュエリーに込めて

フラクタル心理学を学び始めたころ、会社勤めの傍らでしていた趣味のジュエリー制作に力を入れるようになり、昨年はクリエイターの登竜門といわれるAJCクリエイターズコンテストのアートジュエリー部門で入選し、コスチュームジュエリーアワードでも入選しました。

作品名「カプリ島の休日」
2018 年AJCクリエイターズコンテスト入選

中級講座の「5ヵ年計画」を書くワークで、「会社を辞めてジュエリーデザイナーになる」と書いていましたが、その後、その通りに会社を辞めたのです。作品制作に没頭し始めると、「私は何のために生まれてきたのか?」と考えるようになりました。私は作品によって人を楽しませ、笑顔にし、幸せにしたいのだという思いが湧いてきて、その思いを作品に込めるようになりました。

そして、今年もAJCクリエイターズコンテストにアートジュエリーを出品することにしました。アートジュエリーは装飾品の形を借りて、自己の考えや主張を表現する部門です。

今回の作品で私は、「平成から新しい時代へと移り変わる年に、国花である桜を日本女性と重ね合わせ、情熱をもって活躍の舞台を世界に広げていく姿をジュエリーに表現する」と決めました。日本女性はフラクタル心理学の先生方や講座で知り合った友人たちをイメージしました。先生方への感謝の気持ちと、活躍する友人たちへのエールを表現しようと思いました。

講座で、「表層意識と深層意識が1つの方向に向かうと現実化が加速する」と学び、テーマやアイデアが湧いたら、夜寝る前にはそれをどう表現しようかと考えて寝るようにしました。すると、次の日にはいい案が閃き、街を歩くとアイデアが目に飛び込んできました。

桜の花びらを日本の伝統技法のつまみ細工で作る案も閃きからでした。つまみ細工は作ったことがなかったので、2時間の体験コースで基礎を学びました。つまみ細工では絹や着物生地を使いますが、活躍の舞台を世界に広げていくイメージから、フランス製のリボンを用いることにしました。

どんな作品が生み出されるのか楽しみになる

フラクタル心理学では自分で自分に賞を与えると考えますが、今まで甘えて生きてきたのでそのようなプレッシャーは嫌いでしたが、コンテスト発表の数日前に、「やっぱり一番を取りたい」と思った時に覚悟が決まりました。その結果、このコンテストで私の作品「SAKURA Blossom」は最高賞の内閣総理大臣賞をいただくことができました。

今までの私なら、初めての技法でコンクールにチャレンジするなど考えられませんでした。フラクタル心理学を学んで、両親から大切に育てられた尊い私という存在を存分に活かしたくなり、果敢にチャレンジすることになりました。表層意識と深層意識が1つになると、作品に必要な技法や情報も得られるとわかり、プレッシャーを感じなくなりました。むしろ、どんな作品を私は作っていくのだろうかと、この先が楽しみでなりません。

2019年7月発行TAWプレスに掲載
文:(株) Mamu&Co. 藤田理香子